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2023.03.01 10:03

UFO報道、厳選16本!高知新聞で振り返る…「伝説の介良事件」から50年。勘違いから本物(?)まで公開中

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高知県UFO研究会の会長にインタビューした記事(1976年4月2日)

高知県UFO研究会の会長にインタビューした記事(1976年4月2日)


 「ねえ、UFOが飛びゆうで~!」
 高知新聞報道部には、よくこんな電話がかかってきます。そのたびに記者が「何~っ」と追いかけ、正体を突き止めたり、突き止められなかったり。

 本紙のUFO報道の歴史は古く、世界に「空飛ぶ円盤」の概念が登場して間もない時期に最初の目撃談を報じています。内容は、今や伝説となった「介良事件」から、星や雲を見間違えた事例までさまざま。たまに「高知新聞ってUFO好きだよね」と言われてしまうこともある、本紙過去記事を振り返ります。

■UFOの概念ができてすぐ…

 「UFO」の“誕生”は1947年6月。アメリカのワシントン州で奇妙な物体が観測されてマスコミに取り上げられ、世界に「空飛ぶ円盤」というイメージが生まれたとされています。

ビデオシアターの看板。本物ではありません(1987年撮影、高知市北高見町)

ビデオシアターの看板。本物ではありません(1987年撮影、高知市北高見町)

 初めてUFOが登場した高知新聞の記事は、この米国の事件から約1カ月後。7月21日付朝刊の1面コラム「小社会」でした。

 コラムでは「最初、アメリカ北部に、突如この奇現象があらわれたとき、アメリカばかりでなく、全世界の耳目は驚いた」「それがこの頃では、日本にも現れ、満州、中国にも、姿を見せたというから、世界的にハヤり出した「空とぶ円盤」であるといってよい」と、世間の関心事として取り上げています。

小社会(1947年7月21日)こちら

 さらに、小社会の8日後には「“空飛ぶ円盤”らしいものの目撃者が本県にも現れた!」として、長岡郡介良村(現・高知市介良)長崎、農業の女性(45)が語った目撃談を紹介しています。

空飛ぶ円盤?昨暁介良村に(47年)こちら

 当時は昭和南海地震の翌年。復興への歩みを続ける高知県内に、世界的なUFOブームが届いていたことが分かります。

■空飛ぶ円盤を中学生が捕まえた!? 伝説の「介良事件」

 高知でUFOといえば「介良事件」。72年、中学生が空飛ぶ円盤を捕まえたと話題になり、マスコミにこぞって取り上げられました。

 有名な出来事ですが、いわゆるオカルト情報なので、さすがに「事件」として真正面から報じる記事はありませんでした。それでも、記事の端々に介良事件が登場します。

「介良事件」から25年後、当事者にインタビューした記事。当時の担当記者には今も全国から問い合わせの電話がかかってくるという

「介良事件」から25年後、当事者にインタビューした記事。当時の担当記者には今も全国から問い合わせの電話がかかってくるという

 コラム「閑人調」では「このところ謎の円盤が出没する記事が多い」と指摘し、介良事件を紹介しています。

閑人調「円盤出没」(73年)こちら

 作家の故・遠藤周作氏も当時、介良事件の当事者となった中学生に話を聞きに来たそうです。

遠藤周作さんを紹介する連載「文学の土佐」(93年)こちら

 70年代は第1次オカルトブームと言われ、ネッシーやツチノコ、コックリさん、口裂け女が話題になった時期です。日本中が「超常」に熱狂する中で、介良事件も耳目を集めました。

■寒風山にUFO!? 第2次オカルトブームの90年代

 90年代ごろ、第2次オカルトブームが到来しました。ミステリーサークルや人面魚・人面犬、ノストラダムスの大予言が話題になるとともに、本紙のUFO報道もにぎわいを見せます。

  若手記者による人気コーナー「やんやんグラフィティ」では、愛媛県との県境にある寒風山でのUFO目撃情報を面白おかしく報じました。

 寒風山にUFO!? 君は”肯定派””否定派”?(87年)こちら

  「爆発!!Y2スタジアム」では、介良事件で「実際にUFOを見た」と証言する当時の中学生にインタビューを行いました。

高知市介良のUFO伝説 真相解明へインタビュー(98年)こちら

妖怪図鑑制作や七不思議調査を計画した横浜小学校のミステリークラブ(1995年撮影)

妖怪図鑑制作や七不思議調査を計画した横浜小学校のミステリークラブ(1995年撮影)

 テレビ番組でも毎週のようにオカルト特集が組まれ、子どもたちが夢中に。高知市の横浜小学校には「ミステリークラブ」ができ、UFOの写真を撮りたい児童らが入部しました。

ミステリークラブ誕生 世の中の不思議に挑戦 高知市横浜小(95年)こちら

 他にも、UFOの目撃情報が多数掲載されました。1996年には、読者投稿コーナー「声ひろば」で、43歳の男性投稿者から「もっと冷静なUFO報道を」とたしなめられてしまいました。

1996年5月19日の「声ひろば」こちら

■続く「UFO発見!」…社会部のぼやき

 あまりに「UFO発見!」の電話がかかってくるので、当時の社会部がコラムでぼやいたこともありました。

社会部ホットライン 「UFO発見」の電話がよくかかってくる…(85年)こちら

高知市の女性の写真にUFOが写り込んだことを報じる記事(1978年7月21日)

高知市の女性の写真にUFOが写り込んだことを報じる記事(1978年7月21日)

 確かにUFO目撃談の多くは、後に見間違いが判明しています。正体は自然現象からイベントごとまで様々です。

赤ちゃん誕生を祝う凧(たこ)だったUFO目撃談(72年)こちら(

金星だったUFO目撃談(75年)こちら

高圧電線説が有力なUFO目撃談(75年)はこちら

飛行機雲だったUFO目撃談(86年)こちら

気象庁関係の観測機器だったUFO?目撃談(2008年)こちら

天空貫く謎の光。正体は気象研究所の観測レーザー(2008年撮影)

天空貫く謎の光。正体は気象研究所の観測レーザー(2008年撮影)

 22年にも、楽しい「UFO騒ぎ」がありました。

 サーカスのライトだったUFO目撃談(22年)こちら

  自社に著作権があるUFO報道の記事を捜すと、ざっと80件ありました。「目撃談」系ではない記事も入れると350件。まあまあのボリュームです。

 夜空を見上げて「何あれ!」「UFO?」とワクワクするのは楽しいものです。これからも何か不思議なものを発見したら、高知新聞に情報をお寄せください!

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