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2021.10.25 19:37

小社会

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(1947年7月21日掲載)

 「空とぶ円盤」は夏の夜の漫談としては、余り世界的な、マジメさをもって報道されている。

 最初、アメリカ北部に、突如この奇現象があらわれたとき、アメリカばかりでなく、全世界の耳目は驚いた。

 それがこの頃では、日本にも現れ、満州、中国にも、姿を見せたというから、世界的にハヤり出した「空とぶ円盤」であるといってよい。

 北米の場合は、明るい光を放つ円盤の二大編隊が、弧を描いて素晴らしい速さで空をとび、その形は円形、または卵形で、平べったく、特殊な波動を伴っていたという。

 各地の報道は、區々(まちまち)であるにしても、だいたいこのような類型におさまっているとすれば、空とぶ円盤に、一種の規正的なものがありそう。

 だが、これに対する科学的解説はまだ唱えられていない、もっともアメリカの一科学者は、この現象も戦争中の偉大な技術的成果の一つで、極秘のうちに完成された月世界におくられるレーダーのようなものではなるまいか、と説明している、が、まだ公式な発表はない。

 明治の中ごろ井上円了博士は「妖怪学」を著し日本全国、化物という化物を実地見聞きして、これに一々科学的メスを唱えたものだ、しかしそのネライは心理的、精神的に重点をおくかに見えた。

 空とぶ円盤は、何も化物ではないにしても、科学―自然科学がこんなにまで発達した今日、これに公式な科学的考察が加えられねばならぬはず。

 少なくとも、これが果たして科学的研究の正しい対象となり得るか、どうか、これからさきに解決したいものだ

※記事は旧字体を新字体に直し、ルビを加えています

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