追跡・白いダイヤ
近年、採捕量の激減から取引価格が高騰するニホンウナギの稚魚、シラスは「白いダイヤ」とも呼ばれ、人々の欲望を引き付ける。謎の多いシラス漁と流通の実態に迫る。
36記事
追跡・白いダイヤ
近年、採捕量の激減から取引価格が高騰するニホンウナギの稚魚、シラスは「白いダイヤ」とも呼ばれ、人々の欲望を引き付ける。謎の多いシラス漁と流通の実態に迫る。
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追跡・白いダイヤ~高知の現場から~第一部 採捕(1)シラスウナギの光と闇
人々の欲望引き付けシラス漁の解禁日。四万十川河口に集魚灯の光がきらめいた(昨年12月7日夕、四万十市名鹿から撮影) 昨年12月7日の日没直後。高知県四万十市名鹿(なしし)の高台に上ると、目の前に幻想...
追跡・白いダイヤ~高知の現場から~第一部 採捕(2)許可はおいしい権利
左腕に許可を表す腕章。採捕の許可を多くの人が欲しがる(昨年12月、四万十市) 「あっ、こら!」 昨年12月上旬。四万十川河口の真っ暗な岸壁で、近所の大工、石川明男さん(63)が小さく声を上げた。 せっ...
追跡・白いダイヤ~高知の現場から~第一部 採捕(3)採るもんは、静か
寒風で泡立つ水面にシラスウナギの姿が見える(昨年12月、四万十川河口) 昨年12月中旬。記者が四万十川河口に着いたのは日付が変わる直前だった。 車の外は気温1度。真っ暗な土手を越え、未舗装の道を恐る恐...
追跡・白いダイヤ~高知の現場から~第一部 採捕(4)紅白ら見ゆう場合か
「月が上がったら、おらんちや」。多くの採捕人が浜で新年を迎えることなく引き揚げ始めた(昨年12月31日午後8時ごろ、土佐市新居の仁淀川河口) 新型コロナウイルスに振り回された昨年、最後の夕日が沈んだ。...
追跡・白いダイヤ~高知の現場から~第一部 採捕(5)強い人間が、稼ぐ
波打ち際で「羽口」を引っ張るシラスの採捕人たち(1月1日午後7時15分ごろ、土佐市新居の仁淀川河口) 元日の夜。仁淀川河口は大きな満月に照らされ、浜砂利に自分の影がくっきり落ちていた。三脚を構え、波打...
追跡・白いダイヤ~高知の現場から~第一部 採捕(6)突如、ゴールドラッシュ
1971年1月のシラスウナギ漁の様子。物部川河口に人が群がっている 今では絶滅の危機にあるとされるシラスウナギだが、昔はそこかしこで採れた。 昭和の初めごろ、四万十川では「白布を流したようなシラスの川...
追跡・白いダイヤ~高知の現場から~第一部 採捕(7)春野が全国の養鰻変える
塩田暉郎さんが半世紀前に造ったハウス養鰻の池。今でも現役だ(高知市春野町森山) 「高知の養鰻(ようまん)じゃあ、わしが一番おじいかのう」 高知市春野町森山の自宅横にある養殖池を訪ねると、塩田暉郎(きろ...
追跡・白いダイヤ~高知の現場から~第一部 採捕(8)他にはない仕組み
高知県のシラスウナギを取り巻く状況は、1970年代の「ゴールドラッシュ」と、ハウス養鰻(ようまん)の普及で激変。大金が動く「光」と密漁が横行する「闇」が生まれ、今に続いている。 その構造にさらに迫る...
追跡・白いダイヤ~高知の現場から~第一部 採捕(9)表と裏 生まれた二重価格
1996年に設立された県しらすうなぎ流通センター。成魚の出荷も担っている(南国市久枝) 「小指のないおんちゃんとか怖い人がいっぱい来て、どうなることかと思うた」 シラスウナギの管理に関わった高知県OB...
追跡・白いダイヤ~高知の現場から~第二部 流通(2)裏ルートが表を支える
水槽内でシラスウナギを保管する筒状のザル。「ちょうちん」と呼ばれている 「まいど」 今年1月のある夜、採捕人の60代男性が県内の浜で採ったシラスウナギを持って、指定集荷人の自宅を訪ねた。 男性は10年...
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