公の群像 076 東西の“憂”(10) ｢身の丈｣という物差し

常備された住民対応の窓口　高知県内で職員労働組合がないのは、長岡郡大豊町と高岡郡津野町、梼原町だけ。この３町の給与水準はそろって低い。ラスパイレス指数をみると梼原９２・２（県内２８位）、大豊９０・８（...

公の群像 077 東西の“憂”(11=終) ｢人｣を立たせてこそ

誰を待っている？　高知県安芸郡馬路村では、４期連続無投票当選で信任厚い村長と、これぞ経営者という農協の組合長が「ツートップ」で健在だ。その安心感が、人口が千人を割っても村内の空気が変わらない遠因なのか...

公の群像 078 われら転職組(1) “波”で選んだ仕事場

波乗り人生はまだ途上　いい頃合いだとにらめば、新聞も届かない時刻に起きだす。ボードを車に載せて自宅から１０分もかからない浜へ。海に入ってひたすら波を待ち、波に身を委ねる。　「いい波に乗れたらその日一日...

公の群像 079 われら転職組(2) 流されていく怖さ

平素は波穏やかな久礼の港　「サーフィンは自分の生活の深いところに関わっている」　高知県高岡郡中土佐町職員の小松賢介が言う「深いところ」の意味を考えていくと、「自己実現」という言葉が頭をもたげる。　米国...

公の群像 080 われら転職組(3) 仕事は｢人｣に付く

北海道発のパークゴルフ　こちらから聞き出す前に、彼は自分が携わった業務を年度別に書き出し、その一覧を手渡してきた。先読みして相手のニーズに応えようとする。所作も言葉遣いもアカ抜けている。　元金融マンの...

公の群像 081 われら転職組(4) 隣は何をする人ぞ

人を集わせる人の職場　女性が男性の元に嫁いでいく…というのはもう古いのか。転職組の市町村職員の中には、土佐の女性に引っ張られてきた異郷の男性が結構多い。　大阪府出身の東村亮（３５）もその口だ。徳島県内...

公の群像 082 われら転職組(5) 彼女たちの“驚き”

人は入れ替われども…　介護保険制度は創設から１３年目。３年ごとの事業計画も第５期に入った。その計画づくりに追われた昨年度、高知県南国市役所でうなっていたのは長寿支援課介護保険係にいた公務員４年目の高瀬...

公の群像 083 われら転職組(6) 納得いかんけど…

きょうも“土木号”がゆく　元漁師。それもカツオ一本釣り漁船に乗っていた男が、大都会でリーマン・ショックの大波をかぶった企業群の中であえぎ、今は測量器具やら剪定（せんてい）ばさみやらを積み込んだ「土木号...

公の群像 084 われら転職組(7) “岐路”は三十路前に

悩んで帰ってきた彼女　「地域に密着した仕事をしたい」。高知県土佐清水市出身の川口友里（２７）は新潟県の大学で就活時期を迎え、そう思い定めた。　選んだ先は、新潟エリア限定の地元証券会社。酒蔵や地主、それ...

公の群像 085 われら転職組(8) 残せる｢かたち｣は

これも一つの「かたち」　転職人生は３０歳前に岐路がある―。そう書いたが、三十路過ぎでも地方公務員への道は完全シャットアウトではない。かなり狭い門だが、採用試験に別枠を設けて民間企業経験者を呼び込む自治...