公の群像 065 ゼイムの人々(13) ｢滞納整理は人なり｣

ハマのカリスマ徴税吏員　知る人ぞ知る「ミスター滞納整理」に会ってきた。　横浜市職員の川井幸生（５７）。その道２５年、今は保険年金課に席を構える。区役所の一徴税吏員から市全体の「作戦参謀兼現場指揮官」に...

公の群像 067 東西の“憂”(1) ちょっと甘うないか

“元気村”の村長室　外は梅雨空。降ったりやんだりだが、草木は喜んでいる。大枠のガラス窓を配して採光の良い、村長室からの眺め。部屋の主のフランクなキャラクターにも似て、入り口のドアはだいたい開け放たれて...

公の群像 068 東西の“憂”(2) 切れたフルマラソン

この光景ももう見られない　ことし３月。高知県安芸郡馬路村から大量の封書が村外に発送された。その数、１６７６通。中には「ランナーの皆さまへ」と題した文書が入っていた。　〈…人口減少や高齢化などの諸事情に...

公の群像 069 東西の“憂”(3) 農協の方が元気かな

馬路村農協の明るい職場　「役場と農協、どっちが元気？」。高知県安芸郡馬路村のあちこちでそう尋ねてみた。「えー、そんなが考えたことないし」という反応の先に拾った声の多くは「うーん、農協の方かな」。　年商...

公の群像 070 東西の“憂”(4) 顔の見えない職員

役場前で出迎えるのは看板　あるとき、地区の会合に見慣れぬ男２人がやってきた。いぶかる地区民がただすと、不審者の正体は役場の職員だった…。　高知県安芸郡馬路村での実話。職員が村外出身の若手ということもあ...

公の群像 071 東西の“憂”(5) うちは541じゃね

「優等生」の幹部会議　人口減が止まらない高知県安芸郡馬路村でも、財政の各種指標はおしなべて良い。上手にやりくりしている。　２０１０（平成２２）年度の普通会計決算でみると、自活力の度合いとも言える財政力...

公の群像 072 東西の“憂”(6) ｢高知の北朝鮮｣とは

役場庁舎は開かれている　「高知の北朝鮮」。これが、近隣の自治体からこぼれ出てくる高知県高岡郡梼原町の“別称”だ。　何をもってそう言うのか、拾った声を書き出してみると―。　「あそこはトップが絶対的存在。...

公の群像 073 東西の“憂”(7) ｢生体反応が乏しい」

夜の梼原町役場　高知県高岡郡梼原町職員たちの疲弊度を確かめるべく、若手の何人かに集まってもらったある夜のこと。そこで顔を合わせた彼らのあいさつはこうだった。「久しぶりぃ。元気？」　配属先が違えば、それ...

公の群像 074 東西の“憂”(8) 後退は許されない…

歴代町長の座ってきた椅子　職場でダウン、リタイアが相次ぐ異常事態。高岡郡梼原町のトップが出した“回答”は、職員採用増と組織改編だった。　今春、１２人を新規採用。想定外の退職者も出たため結果的には２人純...

公の群像 075 東西の“憂”(9) わきまえてますから

出勤簿だけの役場もある　月にどれだけ残業をしても、手当がろくに支払われない。これが民間企業なら、たちまち労働基準監督署の出番だろう。　ところが、公務員社会は基本的にその枠外だ。しかも人事委員会を置かな...