公の群像 022 生保という仕事(9) SVたちも経験浅く

県市合同のＳＶ会　寒波の中休みに当たった今月７日。高知市内のビルにある高知県の会議室に、県市の生活保護担当者が集まっていた。　スーパーバイザー（ＳＶ）と呼ばれる面々。法令上の名は「査察指導員」。ケース...

公の群像 023 生保という仕事(10) 振り子に振り回され

彼らのハンドブック　「あれから国の方針はくるっと変わった」。高知県四万十市生活福祉係長、二宮英雄の言うターニングポイントを調べてみた。　まず、１９８１年にさかのぼる。当時、暴力団関係者による不正受給が...

公の群像 024 生保という仕事(11) 彼らは“特別公務員”

“給料日”には人垣が…　生活保護世帯は「高齢者」「障害者」「傷病者」「母子」「その他」に５分類される。このうち失業などで保護を受ける稼働年齢層（６５歳未満）は「その他」に含まれるが、生保行政の現場が「...

公の群像 025 生保という仕事(12) わが子に教えられ

「ケン」を教えた机　放っちょくわけにいかんろう。やってみるか―。　高知県南国市福祉事務所のケースワーカー中山尚（３９）が、中学３年のケン＝仮名＝の家庭教師役を引き受けようと決めたのは３年前の秋も深まっ...

公の群像 026 生保という仕事(13) 傷ついているのは

教える手と教わる手　生活保護を受ける母子世帯の子、ケン＝仮名＝を、“課外授業”と母親との二人三脚で高校に合格させたケースワーカー（ＣＷ）の中山尚。昨年４月からは、先生役を同じ姓の中山優子（３８）に引き...

公の群像 027 生保という仕事(14) 君はどうしたいの？

きょうを終えてまた明日へ　高橋鉄昭（５２）。マラソンランナー…いや、高知市福祉事務所の第１福祉課長。昨春までは大所帯の生活保護担当課のトップを２年間、１人で担っていた。　そのスタイリッシュな体形とスー...

公の群像 028 生保という仕事(15=終) “人間屋”なんだよ

決裁の数だけ人の生がある　日本の公的扶助制度のルーツは、７０１年制定の大宝律令にあるらしい。扶養すべき近親にまず保護の責務を負わせ、近親のない場合には村里で救護すべし―。村単位で救護に努めよ、というの...

公の群像 029 家路は遠く(1) 冠水国道をごぶって

あの朝、この一帯は「海」だった　あの朝、車で通勤の途にあった高知県幡多郡大月町職員の松田耕一（４１）は、宿毛市小筑紫町の福良川橋まで来て足止めを食らった。橋の向こう側には、泥色をした“海”が広がってい...

公の群像 030 家路は遠く(2) 税も交付税も逃げる

総務省も回答不能か　南海地震対策で高知県が２０１０年の夏に実施した全職員対象のアンケートがある。居宅が津波浸水区域にあるかどうかや職場までの距離などを聞いて、発生後どれくらいで参集できるかをはじき出し...

公の群像 031 家路は遠く(3) 辞めていただきたい

議会の意思は「町に住め」　議員の発言は議事録に残る。だから、あまりにきつい言葉や感情に走った発言は控えたりするものだが、今月７日の高知県吾川郡仁淀川町議会では、一般質問でこんな発言が飛び出した。　「女...