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2024.05.24 08:00

小社会 厄介者

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 別名ヘコキムシ、ヘッピリムシなどとも呼ばれる。無理もないだろう。それだけ不快な臭いがするのだから。カメムシ。加えて果物や野菜の害虫でもあるから厄介である。

 小欄もよく悩まされる。いつだったか庭のエダマメに大挙してやって来た。ナスもやられた。家庭菜園でさえこうなので、農家の皆さんはずいぶんと苦労されているに違いない。

 そのカメムシがことし、全国で異常発生しているという。いつもの数十倍以上の地域もあるとか。特に警戒を要するのはナシやモモなど果樹に被害をもたらす種類で、きのうまでに高知を含め27都府県で注意報が出された。

 先日の本紙によると、専門家の見立ては「昨年秋は餌となるスギやヒノキの実が多く、個体数が元々増えていた」「暖冬が重なり、越冬する成虫が増えた」。その大量の成虫たちがこれから真夏にかけ産卵期に入る。次の世代が現れる秋や来年の状況も気になるところだ。

 しかも温暖化が年々進み、南方系の虫の北上や増加がよく指摘される。専門家いわく、カメムシにも「その気配はすでに感じられます」(谷本雄治著「いたずらカメムシはゆかいな友だち」)。植林の管理の在り方も問われて久しい。

 こうしてみると、カメムシの異常発生は人がつくり出した問題かもしれない。さらに人はカメムシよりはるかに環境に悪い物を排出している。果たして厄介者、鼻つまみ者はどちらだろう。

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