火事で焼けた工房が再スタート　高知県北川村

2024.05.23 05:00

火事で焼けた工房が再スタート　高知県北川村

高知新聞社

完成した工房で住民や陶芸仲間と語らう新田文江さん（後列左端）＝北川村木積

　高知(こうち)県(けん)北川(きたがわ)村(むら)木積(こつも)で１年前(ねんまえ)に火災(かさい)にあった陶芸家(とうげいか)の工房(こうぼう)がこのほど、新(あら)たに建(た)てられました。陶芸(とうげい)の仲間(なかま)や住民(じゅうみん)らが資材(しざい)を提供(ていきょう)し、工事(こうじ)に協力(きょうりょく)。工房(こうぼう)のあるじ、新田(にった)文江(ふみえ)さん（７７）は「いろんな人(ひと)の思(おも)いがつまった工房(こうぼう)になった。新(あたら)しい焼(や)き物(もの)で村(むら)を盛(も)り上(あ)げていきたい」と喜(よろこ)んでいます。

　新田(にった)さんは「こつも焼(やき)」の陶芸家(とうげいか)として知(し)られ、３０代(だい)から自宅(じたく)で陶芸(とうげい)にはげんできました。しかし、昨年(さくねん)５月(がつ)に火災(かさい)が起(お)き、工房(こうぼう)が全(すべ)て焼(や)けました。一時(いちじ)は引退(いんたい)を考(かんが)えましたが、陶芸(とうげい)仲間(なかま)らに後押(あとお)しされ、古新聞(ふるしんぶん)を原料(げんりょう)にした焼(や)き物(もの)「新聞(しんぶん)炭(すみ)鉢(ばち)」作(づく)りで再(ふたた)び活動(かつどう)を始(はじ)めました。

　今春(こんしゅん)から住民(じゅうみん)らと作(つく)った炭(すみ)鉢(ばち)を村内(そんない)で販売(はんばい)。そんな中(なか)、工房(こうぼう)を再(ふたた)び建(た)てて、みんなが集(つど)える場(ば)にしようと、作業(さぎょう)が進(すす)められていました。

　村(そん)内(ない)外(がい)の大工(だいく)らが資材(しざい)を提供(ていきょう)してくれました。火災(かさい)直後(ちょくご)に「大丈夫(だいじょうぶ)。また小(ちい)さい小屋(こや)でも建(た)ててみんなで楽(たの)しもうや」と新田(にった)さんを励(はげ)ました３０年来(ねんらい)の陶芸(とうげい)仲間(なかま)、内藤(ないとう)明信(あきのぶ)さん（７５）が毎日(まいにち)通(かよ)って工事(こうじ)をしました。

　４月(がつ)上旬(じょうじゅん)、お茶(ちゃ)やおしゃべりを楽(たの)しめるスペースも設(もう)けたログハウスが完成(かんせい)。５月(がつ)１１日(にち)に落成(らくせい)式(しき)が行(おこな)われ、約(やく)３０人(にん)がお祝(いわ)いをしました。

　新田(にった)さんは「１年前(ねんまえ)、もう全部(ぜんぶ)終(お)わったと思(おも)った。本当(ほんとう)にありがたい」と感謝(かんしゃ)。「野草(やそう)やコケをかざる炭(すみ)鉢(ばち)は北川(きたがわ)村(むら)の自然(しぜん)そのもの。みんなで楽(たの)しく作(つく)っていく」と決意(けつい)を新(あら)たにしていました。

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