「とったんは理学療法士」

2024.05.24 05:00

「とったんは理学療法士」

高知新聞社

ゆっくり、ゆーっくり
　まゆのとったん（お父(とう)さん）は理学(りがく)療法士(りょうほうし)。市民(しみん)病院(びょういん)のリハビリセンターで働(はたら)いている。病気(びょうき)やけがで体(からだ)の動(うご)きが不自由(ふじゆう)になってしまった人(ひと)が、もとの生活(せいかつ)をとりもどせるよう手(て)だすけする仕事(しごと)だ。

　休(やす)みの日(ひ)でも夜中(よなか)でも、救急(きゅうきゅう)の患者(かんじゃ)さんが来(く)ると、とったんに相談(そうだん)の電話(でんわ)が入(はい)る。そして、まゆの誕生日(たんじょうび)祝(いわ)いの日(ひ)も緊急(きんきゅう)で出(で)かけてしまった。「とったんなんか、きらいだよ…」

　ある日(ひ)、おばあちゃんがけがをして、とったんの病院(びょういん)に入院(にゅういん)した。まゆはそこで、汗(あせ)をふきながら患者(かんじゃ)さんを支(ささ)えるとったんの姿(すがた)を目(め)にする。

　「ひとりひとりの患者(かんじゃ)さんと、じっくりむきあって、信頼(しんらい)してもらう」。とったんが前(まえ)に話(はな)していたことを思(おも)い出(だ)す。

　とったんの仕事(しごと)を見(み)たことで、まゆはリハビリをがんばる患者(かんじゃ)さんとそれを支(ささ)えるとったん、理学(りがく)療法士(りょうほうし)の仕事(しごと)をほこらしく思(おも)うのだった。（Ｎ(エヌ)Ｐ(ピー)Ｏ(オー)法人(ほうじん)高知(こうち)こどもの図書館(としょかん)　川﨑(かわさき)　美恵子(みえこ)）

「とったんは理学療法士」　茂木ちあき／作　鈴木びんこ／絵　国土社　小学中学年以上

□図書だよりのバックナンバーはこちらでも読めます
高知こどもの図書館　図書だよりのほんだな

特集読もっか図書だより

「とったんは理学療法士」

注目の記事

アクセスランキング