2023.05.10 11:24
なぜあれほど万太郎は植物標本を大事にするの? 過去記事からひもといてみた【今週のらんまん】
自宅で大量の標本に囲まれ作業する牧野富太郎博士(県立牧野植物園提供)
万太郎のモデルである牧野富太郎博士も植物標本という「荷物」には生涯苦労しました。牧野博士は東京・練馬の自宅に落ち着くまで分かっているだけで18回の引っ越しをしています。そのたびに大八車に膨大な植物標本を乗せていたそうですから、ドラマで繰り広げられたシーンはリアルなものだったのかもしれません。
植物分類学者・牧野富太郎のユニークだったところは大量の植物標本を「私有」していたことでした。通常の植物学者は大学など組織に属しているため、その植物標本は公的な場所に保管されます。牧野博士も東大に属してはいましたが、標本は自分で管理していました。その標本の「私有」によって、大きなメリットもありましたが、さまざまな困難にも見舞われていきます。今週のドラマの展開は実に暗示的ともいえるでしょう。
そして最終的に牧野博士の膨大な標本はどうなったのか? そうした疑問に応える記事を集めましたので、どうぞご覧ください。
■受け継がれる業績、貴重な資料16万点 牧野標本館(東京都八王子市)
■もはや標本を売るしかない 窮地の牧野博士を救った大学生 シン・マキノ伝【43】