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2023.03.28 08:29

受け継がれる業績、貴重な資料16万点 牧野標本館(東京都八王子市) 牧野博士ゆかりの地を歩く―東京マキノ遺産

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東京都立大の牧野標本館。牧野博士に関する約16万点の標本が収容されている(写真はいずれも東京都八王子市)

東京都立大の牧野標本館。牧野博士に関する約16万点の標本が収容されている(写真はいずれも東京都八王子市)

 佐川町出身の植物学者、牧野富太郎博士をモデルにしたNHK連続テレビ小説「らんまん」が4月3日に始まる。牧野博士が長く暮らした東京には、生涯にわたって集めた約16万点の植物標本を収容する標本館や通った職場、自身が100年以上前に設立し今も活動を続ける植物愛好会がある。足跡をたどり、ゆかりの地を訪ねると、牧野博士の「遺産」は大事に受け継がれていた。

2018年に完成した鉄筋コンクリート2階建ての別館。本館と合わせて約50万点を所蔵する

2018年に完成した鉄筋コンクリート2階建ての別館。本館と合わせて約50万点を所蔵する

 東京・新宿から電車で40分ほど、京王相模原線南大沢駅のすぐ近くに、東京都立大学の南大沢キャンパス(東京都八王子市)がある。南門を入り5分ほど歩くと、鉄筋コンクリート2階建ての「牧野標本館」が見えてきた。別館と合わせた2棟に、国内有数の50万点を超える植物標本を収蔵しており、そのうち約16万点は牧野博士が持っていたものだ。

牧野博士は全国各地を回って植物を採取した。旧幡多郡中村町の記載も残る

牧野博士は全国各地を回って植物を採取した。旧幡多郡中村町の記載も残る

 古い標本は他の大学や研究機関にもあるが、研究者の専門分野を反映する。例えば京都大学のキク科の植物の採取場所は西日本が中心だ。一方、同館の標本は、明治から昭和前期にかけて、北海道の利尻島から鹿児島県の屋久島まで日本のほぼ全域で採取されており、中には既に絶滅した植物もある。

既に絶滅した「タカノホシクサ」などの標本もある

既に絶滅した「タカノホシクサ」などの標本もある

 「牧野先生は研究対象が幅広く、採取に行くと網羅的に採って標本にしていた。何でもあるのがここの価値です」。標本館館長の村上哲明・都立大教授(63)は…

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