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2022.07.10 08:28

よさこい特別演舞まで1カ月 練習はコロナに苦慮 マスクでぜえぜえ、場所確保難しく〈高知 よさこい 2022〉

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汗だくで練習する國士舞双の踊り子たち。1カ月後に本番を迎える(高知市はりまや町1丁目)

汗だくで練習する國士舞双の踊り子たち。1カ月後に本番を迎える(高知市はりまや町1丁目)

 「2022よさこい鳴子踊り特別演舞」(8月10、11日)まであと1カ月。高知市のアーケード街や広場などでは、マスク姿の踊り子たちが練習に追われている。各チームとも新型コロナ対策に苦慮しながら工夫をこらし、3年ぶりのよさこいへ熱を高めている。

 特別演舞で、踊り子はマスクを外して踊る。ただ、主催のよさこい祭振興会は練習時に「できるだけマスクを着用」するよう求めており、熱中症対策との両立に頭を悩ませているチームは多い。

 ■  ■ 

 各地の神社で輪抜けさまが開かれた6月30日夜。蒸し暑い、はりまや橋商店街のアーケードにロック調の曲が響いていた。涼しげな浴衣姿の若者らが通り過ぎる横で、「國士舞双」の30人ほどが汗だくで練習していた。

 顔を真っ赤にした20代の女性は「汗はかくし、鼻水もでるし、しんどい~」とぜえぜえ。真っ黒なTシャツ姿で踊る40代男性は「2年間も踊らんかったき体力が落ちちゅう。動きが激しいき、続けて踊ると呼吸ができんなることもある」と苦笑い。指でマスクを浮かし、はあはあ、と息を継いだ。担当者も「通しで踊った後は必ず10分休憩。こまめな水分補給も欠かせん」と汗をぬぐった。

 アーケード内とは言え屋外。踊り子間の距離を取ればマスクを外してもよさそうだが…。商店街で練習する他のチームからは「色んな人が通る場所。周りの目を考えるとマスクは外せません」と話す。

 國士舞双の担当者は、週4回の練習場所の確保にも苦労していると明かす。いつも使っていた大学の体育館がコロナ禍を理由に外部使用禁止となったそうで、「市内の体育館やアリーナは他のチームとの取り合い。抽選に当たらんと借りれんき、春野に行ったり、南国に行ったり。踊り子さんも大変です」。

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 例年は初月小学校の体育館で練習している「万々商店街 万々歳」は今回、練習場所を体育館前の屋根付き広場に変えた。

 代表者の中島由加さん(62)は「基本はマスク着用やけど、屋外なら『しんどかったら外してかまんよ』って言えるきね」。

 これまでの祭りでは毎年30人ほどの小学生が踊ってきた。今年は児童の体調管理の面から、保護者同伴にしたが「ハードルが高かったみたいで」参加児童はゼロ。チームの人数は2019年の祭りの3分の1ほど、約50人で出場予定という。

 他のチームも「踊り子の確保に苦労した」と口をそろえる。もともと医療や介護、教育現場などで働く人が大半というチームも多く、コロナ禍で参加を諦めた人もいる。

 各チームは踊り子確保のために参加費を無料にしたり、大幅に値下げしたり。その分、過去の楽曲や振り付けを使うなどして経費削減に努めたチームもあれば、各競演場を回る踊り子用のバスの借り上げをやめ、「現地集合、現地解散」にしたチームも。

 あれやこれや苦労を重ねながら、3年ぶりのよさこいに臨む踊り子たち。「制約は多いけど『今年のよさこい楽しかった』『踊って良かった』って笑顔になるためには、練習を重ねるしかない」「賞はないけど、自分の中では大賞級の踊りを見せたい」。それぞれが期待に胸を躍らせている。(浜田悠伽)

高知のニュース よさこい祭り

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