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2019.12.22 08:45

【いのぐ】中土佐町で「いのぐ塾」 逃げる場所、普段から話そう

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逃げる場所や方法を話し合ってほしいと呼び掛ける佐藤麻紀さん(21日午前、中土佐町の久礼中学校)

 南海トラフ地震への防災意識を県民に高めてもらう高知新聞社主催の「久礼いのぐ塾」が21日、高岡郡中土佐町久礼の久礼中学校で開かれた。東日本大震災で家族を失った語り部の講演や、地元住民らの語り合いがあり、日頃の備えを見つめ直した。高知新聞が進める防災プロジェクト「いのぐ」の一環。

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【いのぐ】石巻市出身・佐藤麻紀さん講演詳報「大事な人と、どう逃げるか相談を

 東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城県石巻市雄勝町出身の佐藤麻紀さん(48)=現在は宮城県登米市=が講演。故郷と同じ漁師町で生きる中学生ら約130人に、雄勝町の言葉のままに思いを語った。

 佐藤さんは地震の直後、向かうべき場所で迷ったという。小学校に2人の子どもがいるが、近所にいる義父がおそらく迎えに行ってくれているはずだ。逆方向には実家と祖母が入院する病院がある。津波が迫る中、葛藤して「ハンドルを握ったまま動けなくなった」という。

 悩んだ末に小学校に向かい、子どもたちは無事だったが、母と祖母を津波で失った。「津波てんでんこ」の教えは逃げる場所を大事な人と普段から話すことだと語り、「失いたくない人と約束してほしい。何が起きても必ず生きてまた会おうねと」と呼び掛けた。

 語り合いは地元の自主防災組織の代表や消防団員ら10人で行った。避難訓練の参加人数を増やす方法や、住宅の耐震補強などが話題になった。久礼中学校の生徒からは「訓練が面倒との声も聞くので、何のためにやるか、みんなで心から理解したい」という声も出た。

 「いのぐ塾」は東北のブロック紙・河北新報社(本社・仙台市)の協力を得て、2016年から高知県内各地で開催しており、今回が8回目。(須崎支局・早川健)

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