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2002.02.11 07:50

土佐の果物語(29) 第5部 ポンカン編(1)歴史 香りが命です

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赤みがかっただいだい色。その皮をむくと甘い香りがパーッと広がる

 耳が痛くなるほど寒い冬の日。赤みがかっただいだい色のポンカンを手でパカンと半分に割る。甘酸っぱい独特の香りが部屋中にパーッと広がる。

 「『おっ、だれな、ポンカンを食べゆうがは?』と言うほどの香り、それがポンカンの命。口に入れたら中の袋がとろけ、ポンカンの果汁が口いっぱいに広がるんですよねえ」

 ポンカンは冬の特産果樹の代表格の一つ。青果の堀田=高知市永国寺町=の堀田昌一郎さんがそのおいしさについて話してくれた。

 ポンカンはインドのスンタラ地方を原産とする亜熱帯のかんきつ。漢字では凸柑、椪柑と書く。ちなみに、ポンカンのポンはインド西部の地名Poonaに由来すると考えられているそうだ。

 東南アジア、中国南部、台湾などで栽培されており、高知県では大正四年ごろから作られている(県農業技術課調べ)。平成十一年産の県内栽培面積は百九十五ヘクタール。生産高三千七百トンは鹿児島県、愛媛県に次いで国内第三位だ。県内の主産地は須崎市(十二年産五十一ヘクタール)、東洋町(同四十四ヘクタール)、室戸市(同二十七ヘクタール)、土佐清水市(同二十五ヘクタール)。海沿いが多い。

 青果の堀田の先代で、昌一郎さんの父親の故・堀田利徳(としのり)さんは、全国誌などにカラー広告を載せるなど県内の特産果樹と産地を商業面で支え、育てた人物。ポンカンもそうやって育てられた。

 「『おまんらあ、頑張っとうせよ。わしがこのポンカンを特産果実にしてみせるき』って。常に最高の値を付けて引き上げてくれた」とある生産者は言う。

 代表的産地は須崎市の立目(たちめ)。ポンカンが樹上で色づいた十二月上旬、浦ノ内湾を望む立目に向かった。(経済部・竹村朋子)

高知のニュース 土佐の果物語

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