高知県宿毛市で震度６弱　今後も余震に注意を

2024.04.19 15:00

高知県宿毛市で震度６弱　今後も余震に注意を

高知新聞社

酒びんが散乱した酒屋（１８日午前９時２０分ごろ、宿毛市駅東町４丁目）

　４月(がつ)１７日(にち)午後(ごご)１１時(じ)１４分(ふん)ごろ、高知(こうち)県(けん)と愛媛(えひめ)県(けん)で震度(しんど)６弱(じゃく)の地震(じしん)がありました。震度(しんど)６弱(じゃく)を観測(かんそく)したのは高知(こうち)県(けん)宿毛(すくも)市(し)と愛媛(えひめ)県(けん)愛南(あいなん)町(ちょう)で、高知(こうち)県(けん)の土佐清水(とさしみず)市(し)や四万十(しまんと)市(し)などでも震度(しんど)４を観測(かんそく)しました。

　気象庁(きしょうちょう)によると、震源地(しんげんち)は大分(おおいた)県(けん)と愛媛(えひめ)県(けん)の間(あいだ)の海域(かいいき)にある豊後(ぶんご)水道(すいどう)で、震源(しんげん)の深(ふか)さは３９キロメートル。地震(じしん)の大(おお)きさはマグニチュード６．６と推定(すいてい)されます。津波(つなみ)はありませんでした。高知(こうち)県内(けんない)で震度(しんど)６弱(じゃく)を観測(かんそく)したのは、今(いま)の震度(しんど)階級(かいきゅう)が取(と)り入(い)れられた１９９６年以降(ねんいこう)、初(はじ)めてのことです。

　震度(しんど)６弱(じゃく)を観測(かんそく)した宿毛(すくも)市(し)では、地震(じしん)のゆれで転(ころ)んだり、地震(じしん)後(ご)ににげようとして足(あし)をひねったりして、２人が顔(かお)や足(あし)の骨(ほね)を折(お)る重傷(じゅうしょう)を負(お)いました。また、家(いえ)のかわらが落(お)ちたり、窓(まど)ガラスが割(わ)れたりする被害(ひがい)が相次(あいつ)ぎ、店(みせ)では割(わ)れたびんや食器(しょっき)がゆかに散(ち)らばっていました。

ハンガーラックや本だながたおれた部屋。この家の男性は直前までねていたという（１８日午前８時４０分ごろ、宿毛市中央１丁目）

　「南海(なんかい)トラフ地震(じしん)か！」と感(かん)じてにげ出(だ)した住民(じゅうみん)も多(おお)く、余震(よしん)とともに不安(ふあん)な夜(よる)を過(す)ごしたといいます。

　宿毛(すくも)市(し)に住(す)む５０代(だい)の男性(だんせい)は、家(いえ)の３階(かい)で横(よこ)になっている時(とき)に緊急(きんきゅう)地震(じしん)速報(そくほう)が鳴(な)りました。激(はげ)しい横(よこ)ゆれに、南海(なんかい)トラフ地震(じしん)だと思(おも)い、近(ちか)くにあったこたつに上半身(じょうはんしん)をつっこんだそうです。ゆれが収(おさ)まり、２階(かい)のテレビをつけて、津波(つなみ)が来(こ)ないことを確認(かくにん)し、再(ふたた)び３階(かい)にもどると、ねていた場所(ばしょ)に本(ほん)だななどがたおれており、「ぞっとした」と話(はな)していました。

　また、宿毛(すくも)市内(しない)では地震(じしん)でこわれた水道管(すいどうかん)を直(なお)すために、約(やく)２０世帯(せたい)で一時(いちじ)水(みず)が使(つか)えなくなりました。水(みず)のにごりなどの相談(そうだん)も寄(よ)せられ、宿毛(すくも)市(し)の要請(ようせい)を受(う)けた高知(こうち)市(し)と四万十(しまんと)市(し)、国土(こくど)交通省(こうつうしょう)土佐(とさ)国道(こくどう)事務(じむ)所(しょ)が給水(きゅうすい)車(しゃ)を送(おく)りました。

　高知(こうち)県(けん)の梼原(ゆすはら)町(ちょう)松谷(まつだに)では、石(いし)が落(お)ちたり木(き)がたおれたりして町道(ちょうどう)がふさがれ、５世帯(せたい)１０人(にん)が一時(いちじ)、他(ほか)の地域(ちいき)との行(い)き来(き)ができない状態(じょうたい)になりました。

　元(もと)気象庁(きしょうちょう)地震(じしん)火山(かざん)部長(ぶちょう)の土井恵治(どいけいじ)さん（６３）＝土佐清水(とさしみず)市(し)＝は「今後(こんご)は、強(つよ)いゆれの余震(よしん)に注意(ちゅうい)が必要(ひつよう)。宿毛(すくも)市(し)など震度(しんど)６弱(じゃく)のところでは建物(たてもの)が傷(いた)んでいる可能(かのう)性(せい)もある。次(つぎ)の強(つよ)いゆれで、たおれたりこわれれたりするかもしれない。注意(ちゅうい)してほしい」と話(はな)しています。

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