学校辞めて花いちもんめ―過ぎし日の映え(95)野田正彰

2024.03.25 08:25

学校辞めて花いちもんめ―過ぎし日の映え(95)野田正彰

高知新聞社

広島県立世羅高校。政府は校長を死に追いやり、国旗国歌法を導入し乱用した

　ハタ・ウタの実施強制をめぐって、どれほどの教師が自殺し、休職退職していったのか。その統計はない。ただし国鉄分割民営化の時（１９８６年）のように１年で５０人を超える自殺者がいたとは思いたくない。今日のＪＲ職員は、多くの国鉄マンの悲哀の傍らで働いていることに気付かない。同じく、今働いている先生たちも、生徒の親たちも、２０００年代初めの学校暴虐を忘れている。多くの先生が自殺し、あるいは自分をいたわらずに病死していった。私は精神科医として彼らを支え、家族や同僚たちに助言し、遺族が裁判に訴えた場合には精神医学的意見書を書き続けた。今も一人一人の先生が耐えた教育行政への絶望、こんなことが行われてはならないという怒りが思い出され、…

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