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2024.01.23 08:00

小社会 60点

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 「経営の神様」の異名を取った松下電器産業(現パナソニックホールディングス)の創業者、松下幸之助は「60点」の実力があると感じた社員に仕事を任せていったという。「君なら十分いけるよ」と励ましながら(著書「人を活かす経営」)。

 100点や90点の仕事ができる人はそうそういないが、60点ならいる。うまく登用すればよい成果を残すし、失敗してもそれを教訓に成長する伸びしろがある。

 その結果、総じて70点の成果が続く。「今日の松下電器をつくり出した一つの要因」だと幸之助は振り返った。やたらホームランを狙うのではなく、こつこつと安打を重ねる経営だったのだろう。

 日本の探査機が月面着陸を成し遂げた。米中などに続く5カ国目。降りたい場所に降りる「ピンポイント着陸」に成功していれば世界初という。ただ宇宙航空研究開発機構(JAXA)の自己評価は「ぎりぎり合格の60点」。幹部の表情も硬かった。

 着陸後、太陽電池が作動せず、想定より大幅に早く電源が使えなくなった。初挑戦ながら80点、90点狙いだったのかもしれない。国産新型ロケットの打ち上げ失敗が相次いだ厳しい事情もあるだろう。

 宇宙探査がホームラン続きで進むとは思わない。宇宙先進国の米国も手痛い数々の失敗を経ていまがある。月への挑戦は続く。次は70点、80点で。幸之助はこうも記す。「成功するためには、成功するまで続けることである」

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