2024.01.21 08:00
小社会 めまいがする
案内役の衛視さんのおしゃべりはなかなかのもの。「お足元、これが赤絨毯(じゅうたん)。1平方メートル2万2千~3千円」「ここが各党控室。政権交代があると、すごい引っ越しになります」。陛下専用の部屋の話、新人議員が議事堂内で迷子になる話。ほーっとか、へーっとか言いながら国権の最高機関を歩く。
中央広間に板垣退助、伊藤博文、大隈重信の3人の銅像が立ち、一つだけ銅像のない台座がある。これには諸説あり、「4人目を誰にするか決められなかった」「政治に完成はなく、いつまでも未完、というメッセージ」。
話としては後者の方が美しいが、それにしても未完。お粗末にすぎる。
1カ月余り前、政治とカネを巡って「法律の問題なのか、法律を守らない人の問題なのか。よく考えねば」みたいな話を自民党幹部がしていた。めまいがした。どちらかではなく両方。穴だらけの法も悪い。守らない人も悪い。こんな簡単なことをわざとややこしく言う。
政治家が自らを律する法をつくれますか。ここは政治家以外の意見を求めなさい。〇〇臨調とか、□□審議会とか、皆さんの得意な方法。こういう時こそ、外部の英知、国民の思いを集めて形にしなさい。