2023.09.28 08:41
イカ一日干し 潮風にゆらりとうまみ熟成中 高知県土佐清水市
秋晴れの下、潮風に揺れるイカの一日干し(土佐清水市養老)
太平洋を望む国道321号沿い。元漁師の店主、山下敬二さん(44)が夜が明けないうちから作業を始め、仕入れたばかりのスルメイカを手早くさばいて90匹ほどを干していく。
湿気が少なくなるこの時季から春ごろまで続く風物詩。約3時間で程よく柔らかさが残る食べ頃になるそうで、「『イカはない?』と楽しみにしてくれる人も多い。頑張らないかんね」と山下さん。来店客も「この季節が来たねえ」と笑顔で買い求めていった。
少しあぶって頬張ると、口いっぱいに広がるうまみの奥に、ほんのりと潮の香り。豊かな恵みが、秋の夜長の晩酌を彩る。(小笠原舞香)