2024年 05月03日(金)

現在
6時間後

こんにちはゲスト様

2023.08.09 08:31

「資料より現場取材大事」 本紙でジョン万連載「白鯨」執筆、夢枕獏さん講演 土佐清水市

SHARE

執筆にかける思いやジョン万次郎の魅力を語る夢枕獏さん(土佐清水市寿町の市民文化会館)

執筆にかける思いやジョン万次郎の魅力を語る夢枕獏さん(土佐清水市寿町の市民文化会館)

 作家、夢枕獏さん(72)=神奈川県小田原市=がこのほど、土佐清水市で講演し、作品執筆への思いや手がけた小説に登場するジョン万次郎の魅力について語った。

 夢枕さんは「陰陽師(おんみょうじ)」や「餓狼(がろう)伝」などの作品で知られ、万次郎を語り手として描いた長編「白鯨 MOBY―DICK」は2019年3月から20年7月まで本紙で連載された。21年には同作品の直筆原稿を土佐清水市に寄贈。同年、市内で講演を予定していたが、悪性リンパ腫治療のため中止に。今回は闘病を経て念願の登壇となった。

 3日の講演では、万次郎が釣り上手だったことや、14歳で遭難した後に捕鯨船に乗り、英語を覚えて活躍した姿などを紹介。「優れた能力とオープンマインドがある人」と魅力を分析した。

 また、執筆のために土佐清水を訪れ、住民らに取材を重ねた夢枕さんは「キャラ作りで一番大事なのは、文字資料より現場に行くこと」と強調。万次郎の生家や周辺の景色を見て歩き、主人公と同じ空気を吸って生活を想像したといい、現場での体験や取材が執筆に生かされたエピソードを紹介した。

 講演は同市の夏季大学講座として行われ、約220人が聴講した。(小笠原舞香)

高知のニュース 土佐清水市 催事・イベント 文学

注目の記事

アクセスランキング

  • 24時間

  • 1週間

  • 1ヶ月