2023.06.27 08:33
朝ドラ「らんまん」 "仙石屋の桜"は、高知発祥のセンダイヤザクラ(仙台屋桜)? 牧野博士がほれ込んだ名桜 今も受け継がれる
牧野富太郎博士も愛したセンダイヤザクラ(2022年撮影、高知市福井町)
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三山さんが演じたのは、呉服商「仙石屋」の主人、浜村義兵衛。万太郎(神木隆之介さん)と結ばれた寿恵子(浜辺美波さん)の花嫁衣装を仕立てるために、峰屋を訪れます。
義兵衛は万太郎の祖母、タキ(松坂慶子さん)に「仙石屋の桜」を切り倒そうと思っていると話します。天狗(てんぐ)が巣を作ったような病(テングス病だと考えられます)に桜がかかっているのだとか。
万太郎はタキに「なんとかできんがかえ?」と言われ、桜の様子を見に仙石屋へ。そこで手代役の小野さんと言葉を交わしながら、思い出の桜をどうにか助けられないか、と思案します。
仙石屋、桜と聞いて記者が思い出したのは、高知市発祥の品種で、牧野博士もこよなく愛したセンダイヤザクラ(仙台屋桜)です。
センダイヤザクラ(2022年撮影、高知市福井町)
牧野博士は晩年「センダイヤザクラが今でも残っておれば高知名物の桜にするべし」と、弟子で親交のあった高知市の園芸研究家、武井近三郎さんに度々、故郷の桜に思いを寄せる手紙を書き送っています。
「仙台屋」もその庭にあった桜も今は残っていませんが、センダイヤザクラ自体は接ぎ木、挿し木で各地に広がり、高知市の県立牧野植物園や牧野博士の故郷、佐川町の牧野公園などにあります。牧野博士の居宅跡に建つ東京都練馬区の牧野記念庭園でも、博士が高知から送らせた苗木から育ったセンダイヤザクラを見ることができます。
センダイヤザクラについて詳しく解説した2022年の記事をご紹介しますので、ぜひお読みください。謎が多い「仙台屋」のルーツを、丹念に記者が調べた記事もあります。
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