2023.01.11 08:42
雪山、朝日に輝く 雪がつくる美の風景 高知県香美市の白髪山
朝日に染まった雪道を黙々と歩く（香美市物部町の白髪山）
未明の山は青く凍えていた。ヘッドライトの光を頼りに黙々と山頂を目指す。遠い山の稜線（りょうせん）から朝日が昇ると、風景は一変。雪面や木々が暖かな金色に染まった。
強烈な雪の照り返しに目を細めながら、少しずつ歩みを進める。新春の雪景色を求めて９日、香美市物部町の白髪山（標高１７７０メートル）に登った。自然がつくり出す美しい光景が、あちこちに待っていた。
白髪山山頂に広がる空の青（香美市物部町）
日中は雲一つない快晴。山頂では、澄みきった青空と雪が鮮やかなコントラストを生み出していた。三嶺（同１８９４メートル）から遠く剣山（同１９５５メートル）まで四国山地の連なりがくっきり。同僚が「きれい、ほんときれい」とため息をつく。尾根沿いに白髪避難小屋へ向かった。
湿り気を帯びた雪をザクッザクッと踏みしめる。吹きだまりでは、ズボッと股（また）まで埋まることも。足元を注視しながら歩いていると、いろいろな発見があって楽しい。動物の足跡やふん、風が雪面に描いた波状の風紋…。不思議な造形を見つけるたびに足が止まった。
２時間ほどかけて、やっと避難小屋にたどり着いた。目前に迫る三嶺の山体に、圧倒された。（森本敦士）
風が雪上に不思議な文様を残していた（香美市物部町）
三嶺の山肌は雪の白とササの緑が入り交じっていた（香美市物部町）
