2023.01.11 08:47
消防団なぜ出動せず?高知市土佐山の車両火災 「延焼なしと判断」10キロ離れた署が対応 急行できる団員手薄「100%カバーは困難」
全焼した軽乗用車。地元消防団は出動しなかった(昨年10月15日、高知市土佐山)
「寝ていたら散弾銃を撃ったようなボン、ボンという爆発音がした」。40代男性が振り返る。昨年10月15日午前6時半ごろ、土佐山の県道を走っていた軽乗用車のボンネットから出火。男性が家から出ると、運転手が車外に避難しているのが見えた。
男性は119番通報し、自宅の庭からホースで水をかけながら消防車を待った。だが、地元の消防団員を招集するサイレンはいつまでたっても聞こえない。その間も車両は激しく燃え続け、「住民の不安は計り知れないものがあった」。結局、北消防署から3台の消防車が到着したのは約25分後。10分ほどで消し止め、延焼やけが人はなかった。
「市の規程では、車両火災は署の消防車が対応し、消防団には原則、出動を要請しないことになっている」。市消防局総合指令課の担当者が説明する。車両火災は燃料に引火する恐れがあり、水ではなく泡で消火しないといけなかったり、特殊な訓練が必要だったりすることなどが理由だという。
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