2023.01.04 08:42
〈唐揚げ定食〉じゅわっと甘く５０年―ほっこり味めぐり(2)あんど亭（いの町）
地元に密着する記者が、身近な名店と名物料理を紹介します。
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メニューは約４０種。１９７１年の開店時とほぼ変わらない。１番人気は唐揚げ定食。定食の王道、常連客らが昔から愛する一品だ。
いの町産ショウガを搾り、砂糖やしょうゆを混ぜたたれに２４時間ほど漬け込む。こんがり揚がった塊にかぶりつくと、さくっ、じゅわっ。ショウガの香りが鼻に抜け、その甘みが肉汁とともに口に広がる。
「おいしいと言うてくれる人がおる。ありがたいね」。店主の安藤政子さん（８１）が優しく笑う。１６年前に夫、義久さんを亡くし、今は従業員の女性（６０）と老舗の味を守っている。
唐揚げを含め、丼ものなどに使うたれ６種は全て自家製。「企業秘密じゃきね。えんま帳があるがよ」。厨房（ちゅうぼう）の奥から持ってきたのは、年季の入った黒い帳面。表には「１９８７年」とある。
「調味料と量、火にかける時間と具合。試行錯誤して一番おいしいと思うがを書いちゅう。ちょっとやそっとの努力じゃなかったぞね」。１冊目が古くなり、書き写した２冊目。普段は金庫にしまってあり、店の“トップシークレット”が記されている。
話し好きの政子さん。顔見知りが来店すると厨房から出てきておしゃべりする。「お客さんはありがたい。店が長う続くがは、うちの味を愛してくれちゅう人がおるきやろうね」
唐揚げを頬張り、政子さんの顔を見る。至高の調味料がそこにある。（土佐支局・谷川剛章）
【メモ】唐揚げ定食は８４０円。月曜定休。営業は午前１１時～午後２時、同５～９時。いの町１４６９の８。電話０８８・８９２・０５５９。
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１番人気の唐揚げ定食。口に入れるとショウガと肉のうまみが広がる
いの町産ショウガを搾り、砂糖やしょうゆを混ぜたたれに２４時間ほど漬け込む。こんがり揚がった塊にかぶりつくと、さくっ、じゅわっ。ショウガの香りが鼻に抜け、その甘みが肉汁とともに口に広がる。
「おいしいと言うてくれる人がおる。ありがたいね」。店主の安藤政子さん（８１）が優しく笑う。１６年前に夫、義久さんを亡くし、今は従業員の女性（６０）と老舗の味を守っている。
店主の安藤政子さん＝左。常連客との会話も弾む
「調味料と量、火にかける時間と具合。試行錯誤して一番おいしいと思うがを書いちゅう。ちょっとやそっとの努力じゃなかったぞね」。１冊目が古くなり、書き写した２冊目。普段は金庫にしまってあり、店の“トップシークレット”が記されている。
話し好きの政子さん。顔見知りが来店すると厨房から出てきておしゃべりする。「お客さんはありがたい。店が長う続くがは、うちの味を愛してくれちゅう人がおるきやろうね」
唐揚げを頬張り、政子さんの顔を見る。至高の調味料がそこにある。（土佐支局・谷川剛章）
【メモ】唐揚げ定食は８４０円。月曜定休。営業は午前１１時～午後２時、同５～９時。いの町１４６９の８。電話０８８・８９２・０５５９。
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