2022.11.28 08:40
キム 首位譲らず完全V 技術で圧倒、自身驚く独走 ゴルフ・カシオワールドオープン最終日
最終18番でウイニングパットを沈め、ガッツポーズするC・キム。この日10個目のバーディーでツアーレコード優勝に花を添えた(黒潮CC=森本敦士撮影)
72ホールでのこれまでの記録は28アンダー。加えて、ストローク数256も最少を更新。さらに、この日の62はカシオでの1日の新記録だ。
「ツアーレコードは知っていた。今日は30アンダーを一つのゴールにしよう」。3日目を終えて22アンダーまでスコアを積み上げても、昨季の賞金王は貪欲だった。
ティーショットが抜群の安定感だった。パー3を除く14ホールのうち、9ホールでフェアウエーをキープし、「すごくいい感触」。四つのパー3も全て1オンとした。
パー4の16番は、ティーショットがグリーンのカラーからラフに転がり落ちた。それでも、絶妙なアプローチでピンそば40センチにつけると、難なく沈めてバーディー。30アンダーに到達した。
この日は10バーディー、ノーボギー。一打一打がカップの近くへ吸い寄せられているかのような、圧倒的な技術を見せつけ、2位以下に付け入る隙を全く与えない完勝だった。
韓国生まれのハワイ育ち。腕を磨くため、17歳になる年に米国本土へ。2010年にプロ転向し、これで日本ツアー8勝目。相棒のウエッジには、いくつか日付の刻印がある。「ガールフレンドの誕生日、初めてデートした日…。12月10日とあるのは結婚式を予定している日です」。人生の門出を自ら祝う最高の結果に、ひときわ優しい笑みがこぼれた。(平野愛弓)