2022.10.08 08:29
「十二国記」壮大な世界観 イラストレーター山田章博さん(高知市出身)画集
山田章博さんの「『十二国記』画集《第二集》青陽の曲」。表紙の絵は描き下ろしだという
山田さんは1957年生まれ。高知西高を卒業後、大阪の大学在学中の81年に漫画家デビュー。古代中国風の異世界を舞台にした「十二国記」は小野さんが91年から執筆する人気シリーズで、山田さんは初期から装画・挿絵を手掛けている。
シリーズ30周年の今年は関連本が相次いで出版。2014年以来となる今回の画集は、シリーズが「完全版」として新潮社から発売された12年以降の装画や挿絵を中心に収めている。登場人物を細やかに描き出したカバーイラスト、物語の一場面を表現した細やかな筆致の挿絵が楽しめる。
小野さんは前書きの中で、「装画は山田さんで」と提案したのは当時の担当編集者だった大森望さん(高知市出身、書評家)だったと紹介。絵に関して山田さんと打ち合わせしたことはなく、絵が「羅針盤のように作品の目指すべき方向を示した」としている。(新潮社・3630円)(村瀬佐保)