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2022.10.04 22:00

俳優・高知東生さん、薬物依存回復に努力 清原和博さんらと支え合い 橋爪功氏の息子・遼さんにエール 

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橋爪遼さんを励ます高知東生さん(2022年10月4日)

橋爪遼さんを励ます高知東生さん(2022年10月4日)


 高知市出身の俳優・高知東生さん(57)が、薬物依存症から回復する努力を順調に続けています
。2016年に覚醒剤取締法違反(所持、使用)で逮捕されて以降、回復プログラムに取り組み、20年9月30日に執行猶予が満了しました。「次は仲間を助ける側に」との思いから、同じく依存症で苦しむ清原和博さんら芸能人とも支え合いながら、啓発活動を続けてきました。

 10月4日、俳優・橋爪功氏の息子、遼さん(35)=覚醒剤の使用で17年に逮捕=と対談。事件後初めてメディアの前に出る遼さんに「一歩踏み出せば居場所ができる」とエールを送りました。 

■高知東生さんとは?

よさこい祭りを楽しむ高知東生さん(1999年撮影)

よさこい祭りを楽しむ高知東生さん(1999年撮影)

 
 高知東生さんは高知市に生まれ、1993年に俳優デビュー。NHK大河ドラマ「元禄繚乱」や、民放ドラマ「結婚できない男」「課長島耕作」に出演し、バラエティー番組の「run for money逃走中」や「秘密のケンミンSHOW」などでも活躍しました。

 ただ、20歳で上京した当初から、断続的に大麻や覚醒剤を使用していました。2016年、覚醒剤取締法違反で懲役2年、執行猶予4年の判決を受けました。事件後は依存症に詳しい医師の診療や、当事者が体験を語り合う自助グループへの参加を通して、薬物を断ち続ける生活を送っています。

「尊敬できる立場の人に(薬物を)勧められ、自分を認めてもらいたくて断れなかった」と経験を語った高知市内の講演会。目に涙をためる場面も(2019年撮影)

「尊敬できる立場の人に(薬物を)勧められ、自分を認めてもらいたくて断れなかった」と経験を語った高知市内の講演会。目に涙をためる場面も(2019年撮影)

 依存症と向き合う過程で、高知市内の暴力団組長の子どもとして育った幼少期や、薬物との出合いを詳しく語り始めました。詳しくは以下の本紙連載から読むことができます。

【連載】薬物を「やめられなかった」理由とは?孤独の病・依存症 高知東生さんに聞く(1)

 逮捕後はひきこもり、自殺も考えたという高知さん。回復を支えたのは「ギャンブル依存症問題を考える会」の田中紀子代表をはじめとする依存症当事者の仲間たちでした。過去の本紙インタビューには、「仲間と支え合っているからこそ(覚醒剤を)やめ続けていられる。孤独なままだったら、生きていなかったかもしれない」と語っています。

 ■清原和博さんらと支え合い

厚生労働省のイベントに登壇した芸能人の仲間たち(2021年、高知東生さんのTwitterより)

厚生労働省のイベントに登壇した芸能人の仲間たち(2021年、高知東生さんのTwitterより)


 高知さんは、同じく違法薬物で逮捕された元プロ野球の清原和博さん元NHKアナウンサーの塚本堅一さん「おかあさんといっしょ」で歌のおにいさんを務めていた杉田あきひろさんらと自助グループ活動などで交流し、支え合いの輪を広げてきました。

「おかあさんといっしょ」に出演していた杉田あきひろさん=右=も回復の努力を続ける(2022年、高知東生さんのTwitterより)

「おかあさんといっしょ」に出演していた杉田あきひろさん=右=も回復の努力を続ける(2022年、高知東生さんのTwitterより)


 芸能人の薬物使用は大きく報道され、世間から批判を受けます。高知さんは、芸能人の自助グループについて「自業自得なので死ぬしかないと追い詰められていった苦しさを、初めて批判を心配せずに話せたこと。そして共感されたこと。あの絶望状態のままなら自暴自棄で再犯か死ぬしかなかった」とツイッターで語っています。


  仲間の支えへ感謝が募り、「次は助ける側に」との思いを強くした高知さん。芸能人による違法薬物関係の逮捕や、依存症が疑われるトラブルが報道されるたび、Twitterやユーチューブ動画などで呼びかけてきました

 2020年9月、「TOKIO」元メンバーの山口達也さんが酒気帯び運転で逮捕された時は「助けになりたいと心から願っています」「依存症は甘くない。一人では回復できない病気なんです」と発信。


  2022年、アイドルグループ「KAT-TUN」元メンバーの田中聖さんが、覚醒剤取締法違反による執行猶予判決を受けた直後に、再度覚醒剤を所持して逮捕された件については「どんな聖君でも俺は大好きだし、待ってる」と語り掛けるように記しました。



■復帰を受け入れる世の中に


 22年10月4日、俳優の橋爪遼さん=2017年、覚醒剤取締法違反(使用)で懲役1年6カ月執行猶予3年の判決=が、事件後初めてメディアの前で思いを語りました。傍らには、高知さんの姿がありました。

事件後初めてのメディア対応を終えた橋爪さんを拍手でたたえる高知さん(2022年10月4日)

事件後初めてのメディア対応を終えた橋爪さんを拍手でたたえる高知さん(2022年10月4日)

 橋爪さんは保釈後すぐに奈良県の回復施設に入り、3年間のプログラムを経て、現在はアルバイトをしながら1人暮らしをしています。「高知さんという先駆者、経験してる人がいるわけですが、やはり緊張します」と神妙な様子で登場し、「事件を報じる記事に対しての『あんな息子が…』みたいな(有名俳優の子どもだという点をからかう)インターネット上の意見を読んで、その意見が全てなんだと感じ、挽回できないんだと思ってしまった」などとつらさを語りました。

 高知さんは「自分も世間みんなに悪く思われていると思い込んでいた」と述懐。「理解がある人はいる。一歩踏み出せば居場所ができてくる」と、橋爪さんにエールを送りました。

▼対談の詳細はこちら!
覚醒剤の効き目「イメージと違った」 橋爪功氏の息子・遼さんと高知東生さんが率直に語る

(竹内悠理菜)


連載「孤独の病・依存症 高知東生さんに聞く」全編はこちら!
(1)薬物を「やめられなかった」理由とは
(2)薬物との関わりを詳しく
(3)覚せい剤、どう使った?
(4)薬がコントロールできなくなり…
(5)任侠育ち 影響は?
(6)仲間と出会い、回復へ 
(7)誰でもそうなる可能性

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