2019.09.07 14:33
孤独の病・依存症 高知東生さんに聞く(3)認めてもらいたくて
「どこで?」「誰から?」「買った?」と詰めると、高知さんは言いよどむ。「俺、こういう取材されると調書をとられているようで」。口ごもり、困ったような口調を交えて記憶をたぐった。
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ディスコのVIP席の奴(やつ)らとの付き合いは楽しかった。ファッションでも商売でも社会情勢でも、街の先端の情報を持ってる特別な奴ら。金持ち、有名大学の学生、ファッショナブルな女、芸能人もいた。
なんて世界だろうって、俺もその輪に入りたかった。成り上がるために上京してきたんだから、仲間になるしかないって思った。
20歳ごろに大麻を吸い始めて、半年くらいたった頃。小さなビニール袋に入った、一部が塊になった白い粉を見た。氷砂糖みたいだと思った。覚醒剤だった。
お酒も入って正確に覚えていないけど、その場にいた誰かが俺に勧めてきた。
それは誰かって?…