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2022.07.24 08:40

原点に返れた気がする 参加チーム―よさこいのある夏に! 2022特別演舞(5=終) 〈高知 よさこい 2022〉

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自宅で練習する刈谷綾花さん=右=と山下夏愛さん(いの町)

自宅で練習する刈谷綾花さん=右=と山下夏愛さん(いの町)

 ある日曜日の午後3時。吾川郡いの町の電車通り近くの民家から、鳴子の音と楽しげな声が聞こえてきた。

 「あ、間違えた~」「この前の練習で、先生に『ぜんっぜん駄目』って言われたき、もっと頑張らんとね」

 リビングのテレビの前で並んで踊るのは、「大橋通踊り子隊」の刈谷綾花さん(11)と、向かいに住む山下夏愛(なつみ)さん(10)。共に伊野小学校の5年生。振り付けの動画を繰り返し再生し、自主練習に励んでいた。

 刈谷さんは今夏が初よさこい。新型コロナ禍でこの2年、家族で出掛ける機会もほとんどなかったが、よさこい好きの母に誘われ参加を決めたという。

 お風呂上がりに2人で踊ってから眠るのが日課。「家での練習も面白いで。お母さんはよさこいの先輩やけど、負けんように頑張る」と期待に胸を高鳴らせている。

 大橋通踊り子隊が練習を始めたのは、例年の祭りより1カ月遅い6月下旬。新型コロナ対策として回数も半分の週2回とした。代わりに、DVDや動画サイトで振り付けを共有。踊り子は予習、復習して練習に臨んできた。7月中旬からは感染拡大を受け、練習メンバーを1時間ずつ入れ替えている。

 責任者の横田耕司さん(46)は「今はできることをやっていくしかない。特別演舞はもうすぐそこですから」とうなずいた。

 ◇ 

 ある土曜日の午後6時。高知市の池公園で「り組」が練習していた。約30人の踊り子の前で保育士の女性と、親子3人が“ダンスリーダー”として指導に汗を流していた。

 チームはコロナ禍で協賛を見通せず、踊り子が少ないことを見込んで参加費を値下げした。そこで振り付けも「お金をかけずに自分らで。特によさこい熱の高い4人にお願いした」という。

 4人は5月の連休明けから曲のパートごとに振り付けの案を持ち寄り、1カ月かけて踊りを完成させた。保育士の岡林春花さん(27)は「なるだけ覚えやすい簡単な振りにしました。特別な経験ができて最高。もう、楽しくって楽しくって」。西部中3年の高橋みなとさん(14)も「曲が神っちゅうき、振りがどんどん浮かんで楽しかった。みんなが踊るのは、なんか不思議な感じ」とにっこり。

 代表の橋村泰央さん(55)は「よさこいってこういうもんじゃない? 70年前に始まった時はみんな、お金らあなかったがやき。『祭りって楽しい』『よさこいがあるき仕事頑張れる』って、特別演舞で原点に返れたような気がします」。

 新型コロナ禍で開かれる、文字通り、特別な演舞が見られる夏。3年ぶりに鳴子が響く夏。踊り子たちは「肩肘張らずにやろう」「来年につなげよう」と晴れ舞台を待っている。(報道部・浜田悠伽)

 =おわり

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