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2022.05.13 08:35

「星ほど美しいものはない」 コメットハンター・関勉さんに高知県名誉県民贈呈

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浜田知事から名誉県民証を受け取る関勉さん(高知市の共済会館)

浜田知事から名誉県民証を受け取る関勉さん(高知市の共済会館)

 「名誉県民」に選ばれた高知市のコメットハンター、関勉さん(91)を顕彰する贈呈式が12日、高知市本町5丁目の高知共済会館で行われた。関さんは「感激して言葉がない。これからも新しい天体を発見して宇宙の謎を解き、若い人の指導にも当たりたい」と意欲を語った。

 関さんは18歳から自作の望遠鏡で天体観測を始め、1961年に初めて「関彗星(すいせい)」を発見。これまでに20世紀最大級の「池谷・関彗星」など新彗星6個と223個の小惑星を見つけており、国内外の研究者らに多大な影響を与えた。

 観測と同時に教育にも貢献。1981年から県立芸西天文学習館の講師として、子どもたちに星や宇宙の魅力を伝え続けている。

 式では浜田省司知事が「高知が誇る世界有数の天文家。星への情熱と探究心、郷土への愛情に心から敬意を表する」と、名誉県民証やメダルを渡した。

 この後の会見で関さんは、発見した小惑星に「はりまやばし」「桂浜」など高知に縁のある名前を付けたことに触れ、「空は高知県の地名でいっぱいになっております。くだけたところでは『よさこい』なんて名前も。観測していると空からよさこい節が聞こえてくる気がします」と独特の〝関節〟で語った。

 現在も月に数日は徹夜で星空を観測。自らを突き動かす原動力は、宇宙の幽遠さにある、とも。「星ほど美しいものはなく、宇宙の神秘に引かれて探究している。長年やってきたことですから、年を取ったから急にやめるというものじゃない。まだ10年くらいできそうな気がする」と意気軒昂に語った。

 7月には記念イベントとして、高知市のオーテピアで講演会や、プラネタリウムでの記念投映が行われる。

 名誉県民は文化、スポーツ、学術などの分野で顕著な功績を残した県民や県出身者を顕彰しようと、県が2011年に制度化した。これまでに漫画家のやなせたかしさん(11年)、洋画家の奥谷博さん(18年)が選ばれている。(石丸静香)

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