2022.05.01 08:32
【高画質ドローン動画】海が割れる 咸陽島(宿毛市)―土佐鳥瞰紀行(67)
潮が引くと海が割れた。
宿毛湾に浮かぶ大島の西、約300メートルに並ぶ二つの無人島。大潮の干潮時には、大島との間に1本の道が現れ、歩いて行き来できるようになる。
さて、では2島はどちらが咸陽島(かんようとう)なのだろうか? 宿毛市に聞くと「住所の字(あざ)では大島から見て手前が『ドテハナ』、奥は『咸陽島山(やま)』となっていますが、二つの島を総称して咸陽島としています」。
島への道のあちこちで貝掘りを楽しむ姿が見られる。地元の女性(76)はサザエを親指ほどに小さくしたようなニガニシがお目当て。塩ゆですると、こりこりした食感と独特の苦みが酒のあてに最高なのだという。
「セイノミ(カメノテ)やクロニナ(小さな巻き貝)、カラスガイに似たヨコメ。もちろんアサリも。島の周りではいろんなおいしい貝が採れますよ」
干潮時刻を過ぎるとじわじわと道が狭まってきた。名残惜しいが取り残される前に戻るとしよう。海の道をしっかりと目に焼き付けて。(佐藤邦昭)