2022.03.31 08:36
「森のキャビア」フィンガーライム、宿毛の名物に!Iターン男性が生産中「本物の味伝えたい」
フィンガーライムの生産に取り組んでいる町田知隆さん(宿毛市内)
プチプチとした食感の果肉が特徴のフィンガーライム。品種によって色も異なる(町田さん提供)
千葉県松戸市出身の町田知隆さん(39)。フィンガーライムは、その名の通り指のように長細い数センチほどの果実で、中には無数の果肉の粒が詰まっている。原産国のオーストラリアでは250品種ほど確認されており、町田さんは2012年から13年に現地の大規模農園で働いた際に出合った。
フランス料理などで、サラダや肉・魚料理の付け合わせに使われることが多い。世界的に栽培が広がっているものの、国内での実績は少なく、1キロ数万円で取引されるという。
帰国後は植物を使った空間デザインなどの仕事をしていた町田さん。国内でフィンガーライムが徐々に注目されるようになり、「自分なら本場の味を伝えられる」と、就農を決意した。栽培に適した温暖な場所を探す中でたどり着いたのが宿毛市で、18年に移住した。
自身が働いていたオーストラリアの農家から苗木を輸入。2棟のハウスで25品種を育てている。品種によって色や酸味、食感が違うといい、町田さんは「どんな食材にも合わせられるのが魅力」と語る。
首都圏の飲食店に出荷し、同市のふるさと納税の返礼品にも採用されている。市内では「大松」と「Barホワイトハウス」(ともに中央7丁目)で、春秋の収穫期には果肉を使った創作料理やカクテルが味わえる。
今後は冷凍での通年出荷も始める予定だという町田さん。「将来は若手農業者の育成にも取り組んでいきたい」と話している。屋号は「アカラフルーツ」で、問い合わせはメール(info@akalafruits.com)で。(新妻亮太)