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2022.01.13 19:20

独創的な動物画 内園さんの作品紹介 高知市で初個展開催中 1/23までギャラリーE  

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 独創的な動物画を描く高知市の画家、内園明日美さん(28)の初個展「は・じ・め・の・第・一・歩 動物の足音、わたしの足跡」が1月23日まで同市桜井町1丁目のコレンス内「ギャラリーE」で開かれています。自閉症スペクトラム障害と向き合いながら、創作活動を続けている内園さんにとって、絵を描くことは会話すること。絵で気持ちを伝えることで、つながりが生まれるのだといいます。

 モチーフは大好きな動物。イルカやワニ、スナドリネコ、イグアナなどが緻密な幾何学模様でかたどられ、独創的な色使いによって、ポップで愛らしい動物画に。内園さんの目に映る世界がキャンパスに再現されています。

 展示しているギャラリーの真っ白な壁面に映える作品約80点から、内園さんの解説を交え数点を紹介します。


 ベニジュケイを描いた作品のタイトルは『「ぽんこつなトコロこそ、大事にしようよ」って言ってくれたから。』。特性から苦手なことが多いという内園さん。「誰かに助けてもらったり、注意されたりする度に、わたしってぽんこつやなぁって落ち込んだり悩んだり。だけど、慕ってくれる後輩がこう言ってくれました。『ぽんこつなトコロが、明日美さんらしくて良いんじゃないですか』。他人には簡単でも自分には難しい。それでも一生懸命に向き合っているなら、決してダメなことではないと、前向きになれた言葉を振り返りながら描いたという1枚です。

 魚をくわえたスナドリネコのタイトルは『変わり者っていう贈り物。』。自閉症スペクトラム障害のある自分を「確かに変わり者だと思う」という内園さん。意思疎通が苦手、感覚が過敏、会話が続けられない…。周囲が理解しづらい特性であっても「コミュニケーションが取れないから絵が描け、感覚過敏だから小さな変化に気づける。変わり者って悪いことばっかりじゃないな」。「変わり者」はすてきな贈り物だという気持ちを込めているそうです。


 カラフルな作品より、さらに緻密な模様でコースターに描いたペン画は、モノクロで絶滅危惧種を描いたシリーズ。上の作品は「スッポンモドキ」。いつものアルコールマーカーを使わなかったのは、「色や体の感触を自由に想像を膨らませ、色をのせて楽しんでほしいと思った」から。線の太さを変えて細かな模様で表現した動物たちは、今にも動き出しそうな豊かな表情で、カラー作品にひけを取らない存在感を放っています。


 絵と文章が対になった、かるた作品。モモイロペリカンの「も」には『「もうちょっと。」この世で一番怪しい言葉」と、「具体的にどれぐらいかが分からない表現は、ちょっとが永遠に続きそうな気がしてソワソワする」と心情がつづられています。


 「空気読め!必死に空中文字探す」と書かれたのはグリーンイグアナの「く」。「わたしは言葉をそのまま受け取ってしまうことが多い」「一つずつ覚えていけばいい。失敗したって大丈夫」。生活で感じたつらさや自分の特性を前向きにとらえ、素直な気持ちを表現しています。

 個展は1月23日まで。期間中は無休で午前11時~午後6時(最終日は午後4時まで)。月、木曜以外は内園さんが在廊し、購入も可能です。

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