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2021.12.12 08:29

やまさき×黒笹・釣りバカ対談in高知(下)高知で取材「生きるなら、ここだなあ」

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 人気漫画「釣りバカ日誌」の93巻(2015年刊行)は、「ご一行様、ご来高!?の巻」と題した高知編。やまさき十三さん(80)と、初代編集担当者の黒笹慈幾(やすし)さん(71)が高知取材の思い出も語った。

「釣りバカ日誌」高知編

「釣りバカ日誌」高知編

 同巻の柱は、スーさん、ハマちゃんを伴って、米国帰りの本社社員が業績の悪い高知営業所を閉鎖すべく来高。地元のはちきん事務員と衝突を繰り返すうちに、2人は…という話。取材の記憶が曖昧なやまさきさんに、黒笹さんが、そんな要旨を伝えると―。

 やまさき「よくできてるねえ(笑)」

 黒笹「浦戸湾でハイカラ釣りもやりましたよね。覚えてます? 93巻には、そうした取材で得た要素がいっぱい。高知の宴会風景も、印象に残ったから書いたんですよね」

 やまさき「ん…。まあ酒好きという、お国柄は感じましたね。穴の空いたおちょこがあったでしょう?」

 黒笹「可杯(べくはい)ですね」

 やまさき「あの時代だから描けたんだね。(返杯は)今は描けないよね。コロナで」

 黒笹「やまさきさんが『あれなんだ!?』と一番驚いていたのは、津波避難タワーですね。使えると、感じたのでは?」

 やまさき「覚えてない…」

 黒笹「ははは。ちゃんと漫画に描いてますから、当時は覚えてたんですよね。産み落とした作品は忘れちゃうんですね。本社の社員をぐしゃっとやる、はちきんも登場します」

 合理主義だった本社社員は、温かな人や文化に触れる内に心変わり。これからは高知で暮らす決心をする。

 黒笹「高知は経済指標も悪くて、東京とか中央の論理で言うと駄目な県。暮らすには本当にいい所なんだけど、経済の専門家みたいな人は高知の経済が理解できない。そこで起きる文化の衝突が描かれている。高知の本質を理解してくださったということですね」

 やまさき「最近は黒笹さんみたいに、退職して地方に行く人が増えた。でも以前はそういう傾向がなかったよね。生活のため東京みたいな所にしょうがなくいる人もいっぱいいる。けど、高知に取材に来た時、『ああ、生きるにはこういうところだなあ』という気がしました」

 黒笹「時間なので、話をまとめますか」

 やまさき「これから釣りをやる方もいるかもしれないので申し上げます。海釣りで死なないように、準備してやってください。ご静聴ありがとうございました」

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