2021.12.12 08:29
やまさき×黒笹・釣りバカ対談in高知(下)高知で取材「生きるなら、ここだなあ」
「釣りバカ日誌」高知編
やまさき「よくできてるねえ(笑)」
黒笹「浦戸湾でハイカラ釣りもやりましたよね。覚えてます? 93巻には、そうした取材で得た要素がいっぱい。高知の宴会風景も、印象に残ったから書いたんですよね」
やまさき「ん…。まあ酒好きという、お国柄は感じましたね。穴の空いたおちょこがあったでしょう?」
黒笹「可杯(べくはい)ですね」
やまさき「あの時代だから描けたんだね。(返杯は)今は描けないよね。コロナで」
黒笹「やまさきさんが『あれなんだ!?』と一番驚いていたのは、津波避難タワーですね。使えると、感じたのでは?」
やまさき「覚えてない…」
黒笹「ははは。ちゃんと漫画に描いてますから、当時は覚えてたんですよね。産み落とした作品は忘れちゃうんですね。本社の社員をぐしゃっとやる、はちきんも登場します」
合理主義だった本社社員は、温かな人や文化に触れる内に心変わり。これからは高知で暮らす決心をする。
黒笹「高知は経済指標も悪くて、東京とか中央の論理で言うと駄目な県。暮らすには本当にいい所なんだけど、経済の専門家みたいな人は高知の経済が理解できない。そこで起きる文化の衝突が描かれている。高知の本質を理解してくださったということですね」
やまさき「最近は黒笹さんみたいに、退職して地方に行く人が増えた。でも以前はそういう傾向がなかったよね。生活のため東京みたいな所にしょうがなくいる人もいっぱいいる。けど、高知に取材に来た時、『ああ、生きるにはこういうところだなあ』という気がしました」
黒笹「時間なので、話をまとめますか」
やまさき「これから釣りをやる方もいるかもしれないので申し上げます。海釣りで死なないように、準備してやってください。ご静聴ありがとうございました」