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2021.11.18 08:00

声ひろば 2021年11月18日、木曜日

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1.龍馬と佐那のレリーフを訪ねて
【岡林一彦、73歳、高知市】
 東京都足立区千住仲町に、千葉佐那が開いた「千葉灸(きゅう)治院跡地」を訪ねた。
 そこには、2020年10月に「千葉道場での龍馬と千葉佐那」のモニュメントが設置されて、2人の姿がレリーフとなってよみがえっていた。
 龍馬は右手を懐手、左手には小刀を持ち、その傍らにはなぎなたを持つ佐那がいて、千葉道場での若い2人の像だという。
 龍馬は19歳の1853(嘉永6)年4月、剣術修行のため北辰一刀流の千葉定吉道場に入門。定吉の次女佐那16歳は、兄の重太郎とともに剣術指南にあたっており、龍馬も激しい稽古に汗を流したことだろう。
 龍馬は翌年土佐に帰り、1856(安政3)年8月、再び江戸へ出発。千葉道場で剣術修行に励み、1858(同5)年1月、「北辰一刀流長刀(なぎなた)兵法目録」を受け、9月には土佐に帰国している。その目録には、千葉定吉たちと並んで佐那女の名前が記されている。
 恋仲だった2人は、佐那から懐剣が龍馬に贈られ、龍馬は紋服の片袖をひきちぎって佐那に与えたといわれている。
 佐那は龍馬が暗殺された後も、形見の片袖を生涯離さなかったと伝わっており、山梨・甲府の清運寺にある墓石には「坂本龍馬室(龍馬の妻)」と刻んでいる。
 千葉定吉道場跡も東京駅近くにある。龍馬ゆかりの説明板も設置され、龍馬と佐那の青春の日々をしのぶことができた。

2.日本シリーズに期待
【窪田洋一、83歳、南国市】
 プロ野球はクライマックスシリーズ(CS)も終わり、ヤクルト―オリックスの日本シリーズが始まる。ペナントレースではセ・パ両リーグとも、昨年最下位だったヤクルト、オリックスが優勝。自分が応援している阪神も何とかCSに進出したが、第1ステージで敗退。パ優勝のオリックスと日本シリーズで戦ってほしかったが、残念だ。
 昭和30年代にオリックスの前身、阪急が高知市で春のキャンプを行っていた。当時は外国の選手が少なかったが、阪急にはいた。バルボンという内野手で、非常に足の速かったことが印象に残っている。
 当時は娯楽も少なく、プロ野球のキャンプを見に行くのが一番の楽しみだった。以降50年代にかけ、阪神、西武、南海、近鉄と、東は安芸から西は宿毛まで、高知でのキャンプは春の一大イベントだった。
 現在は沖縄にほとんど集中。近年の阪神も安芸市では2軍選手のみのキャンプ。寂しい限りである。星野、野村監督時代のにぎわいをもう一度味わってみたい。高知まで帰るのに渋滞で、通常よりとても時間がかかったことを思い出す。
 毎年常勝チームでの日本シリーズは面白くない。今年は違った形の熱戦を期待したい。

3.偉人談
【保田稔、71歳、宿毛市】
 200年ぐらい前に生まれた人物。50年ほど前に雑誌で見た話の受け売りだから、真偽のほどの確証はないが、彼は若い頃は朝1合、昼2合、晩3合と酒を飲んでいたが、その品行は堅く清廉潔白だったというから、やはり非凡な傑物だった。
 若くして思想家、学者として名を成し、政府顕官など名士大臣が出席する会合などに招かれた場合、大臣顕官等が上席を占めておれば、その会には出なかった。
 明治政府からたびたび招へいを受けたが、ついに何人の前にも膝を屈せず、授爵叙勲学位授与の沙汰など一切受け付けなかった。
 こう聞けば浮世離れした融通の利かない変人奇人を想起するが、実は友誼(ゆうぎ)を重んじ、仁義を尊ぶ、情理相備えた人物像を伝える挿話も多い。
 令和3年現在、本邦最も高価な紙幣1万円札の肖像。天は人の上に人をつくらず、人の下に人をつくらずとうたった慶応義塾創建の鼻祖、福沢諭吉。
 この福沢と並び立つ巨人、大隈重信。第8、17代内閣総理大臣、早稲田大学建学の祖。今般就任した総理大臣岸田文雄氏、いやしくもこの早稲田の卒業生を標榜(ひょうぼう)すれば、頸木(くびき)を断ち2先人のまっしぐらな精神性をこそ羅針儀としたい。

4.長嶋さん、文化勲章!
【植田寿彦、76歳、四万十市】
 ジャイアンツが負けそうと聞けば風呂もそこそこにテレビの前に座ったことが思い出される。先日の文化の日に、プロ野球読売巨人軍終身名誉監督の長嶋茂雄さんが球界から初めて、文化勲章を受章した。スポーツ界からは水泳の古橋広之進さん以来、13年ぶりの受章だそうだ。
 長嶋さんは1958年に巨人に入団し、華々しい活躍で「ミスタージャイアンツ」と称され、首位打者6回、打点王5回の勝負強いバッティングで「V9」の主役を張っていた。
 軽快なサードの守備、三振しても絵になる華やかなプレーで高度経済成長期を代表するスーパースターとなり、プロ野球を国民的スポーツへと押し上げた。
 平成に入ると監督として96年の「メークドラマ」を指揮して栄冠をつかんだ。一方ではアテネ五輪代表監督だった2004年、脳梗塞に倒れ五輪出場はかなわなかった不運もあった。
 受章は懸命のリハビリで同じ病を持つ人々に大いなる勇気を与え、何人とも一生懸命を分かちあっている姿も評価されたのだろう。これからも現役時代をほうふつさせる満面の「ミスタースマイル」を見せてほしいと願っている。文化勲章受章バンザイ!

5.穏やかな時間
【久保田美紀、54歳、公務員、四万十町】
 長年患ってきた足の手術が無事に終わり、リハビリの散歩が日課に。心地よい秋風のもと、山々に囲まれた家の周りの農道をつえをつきつき散策していると、日々発見があります。
 至る所で出迎えてくれるのは目にも鮮やかな赤トンボ。まれに交じるクルマトンボに、幼少期の高揚感がよみがえります。
 ツマグロヒョウモン、モンキチョウ、ルリシジミ等、色とりどりのチョウが花を渡り、秋色のクルマバッタが連日坂道の真ん中で日なたぼっこ。虹色に輝くハンミョウの案内でたどり着いた水路ではイヌタデやミゾソバが咲き競い、張り巡らされたジョロウグモの巣にコカマキリ捕食の瞬間を目撃。岸には白や紫の野菊が咲き誇り、山肌ではツツジやハゼがまぶしいほどに紅葉―。
 一夜にして丸裸と化した一面のマオに想像を膨らませたり、祖母に煎じるためせっせと摘んだゲンノショウコを懐かしんだり、目に映るもの全てが心を弾ませ、足取りを軽くしてくれます。
 区画整理で幼い頃から見慣れた風景は変わっても、自然の営みは変わらずそこにあって、毎日のように野山を駆け巡った思い出とともに心を癒やし、楽しませてくれます。
 時にはスズメバチやヘビの登場にどきっとすることもあるけれど、長年願い続けてきた体調回復に向けて、もうしばらくの間、季節の移ろいを身近に感じながら自然の魅力を再発見しつつ、穏やかな時間を楽しみたいと思います。

6.ともに学ぶ教室
【沢田良文、63歳、高知県に夜間中学をつくる会世話人、高知市】
 10月、高知国際中学夜間学級の授業見学に学校を訪問しました。特別支援学校の校舎を受け継ぎ、情報教育の整備や機器の活用しやすい環境づくり、図書館の書籍など、少しずつ充実できるように取り組まれていることが分かりました。
 見学は、音楽の授業でした。生徒さんの学びたい、学ぼうという熱い思いやあったかい空気が伝わってきました。
 また「フェルマータ」の意味(ほどよく伸ばす、休む)も学習していました。
 イタリアを旅した経験のある音楽の先生は、イタリアでは「停留所」をフェルマータと呼んでいることなども話してくれました。また、身近な料理と重ねて暮らしとの関わりにも触れながら、授業が進んでいました。
 短い時間での授業見学でしたが、生徒さんからも音楽、旅、料理のことで経験や思い出なども話題になり、お互いに交流し合う姿も浮かんできました。生徒さんとともに、互いを尊び、学び合うことを大切にしている夜間中学に学んでいきたいです。
 12月3日まで生徒を募集しています。夜間中学に入学、学び直しを考えられている方や関心のある方は、ぜひ学校(088・823・8117)の方にご連絡、ご相談をお願いします。

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