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2021.07.24 08:00

小社会 五輪と忘却

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作曲家の故古関裕而さんは1964年、東京五輪の入場曲の依頼を相当喜んだようだ。日本の戦後復興の証しに参加できる。そう意気込んだ会心作が「オリンピック・マーチ」だった。

 刑部(おさかべ)芳則さん著「古関裕而」によると、要望されたのは「日本的なもの」。古関さんは「君が代」の後半部分を取り入れた。ただ、実は戦時にも無意識に同じ工夫をした曲があったという。

 古関さんは、作曲の秘訣(ひけつ)を「忘却こそ創作の泉」と語っている。「片っ端から忘れていくんです。覚えていたら、気になって、作れるものじゃありません」。作品は5千曲に及んだといわれる作曲家独特の逸話なのだろう。

 57年後の東京五輪が始まり、気になる「忘却」がある。菅政権は、大会成功の余勢を駆って衆院選に臨む基本戦略といわれてきた。要するに五輪が盛り上がれば、世間も今までのコロナ対策や開催を巡る失策、ドタバタは忘れてくれるということだろうか。

 確かに、選手たちの奮闘を見ていると心が震える。だが、不安が募る感染対策や、「安全安心」を繰り返すだけの政治の言葉の貧しさをはじめ、検証すべき要素が消えるわけではあるまい。

 自民党の石破茂元幹事長が森友学園問題などについて、こう述べたことがある。「時間がたてば国民は忘れるだろうとは、間違っても思ってはいけないし、国民をなめてはいけない」。通底するものを感じる五輪の風景である。


7月24日のこよみ。
旧暦の6月15日に当たります。みずのと とり 九紫 友引。
日の出は5時12分、日の入りは19時12分。
月の出は19時43分、月の入りは4時47分、月齢は14.1です。
潮は大潮で、満潮は高知港標準で5時16分、潮位194センチと、19時06分、潮位194センチです。
干潮は12時14分、潮位3センチです。

7月25日のこよみ。
旧暦の6月16日に当たります。きのえ いぬ 八白 先負。
日の出は5時13分、日の入りは19時11分。
月の出は20時27分、月の入りは5時57分、月齢は15.1です。
潮は大潮で、干潮は高知港標準で0時31分、潮位99センチと、12時57分、潮位5センチです。
満潮は6時04分、潮位197センチと、19時43分、潮位193センチです。

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