2021.07.17 08:50
かつお節「土佐節」製法が国文化財に 文化審答申、高知が生んだ「枯れ節」加工技術
まきの煙でカツオをいぶす土佐節の製造工程。しっかり水分が抜けた後、カビ付けし天日干しを繰り返す(土佐市宇佐町宇佐の竹内商店)
登録無形民俗文化財は、6月に施行された改正文化財保護法に基づいて設けられ、今回の2件が初の登録。継承活動などで国の財政支援が受けられる。
対象となったのは、カビ付けされたカツオの枯れ節の製造技術。「土佐切り」と呼ばれるつるし切りでカツオをおろし、煙でいぶし、良質のカビを付けるといった工程は熟練を要する。
かつお節は古くから各地で作られてきたが、江戸時代に現在の土佐市宇佐町で改良。カビ付けと天日干しを繰り返す製法が編み出され、生臭さをなくして風味を高めるとともに、腐敗を防いで全国的な流通を可能にした。
こうして作られた硬質のかつお節が土佐節と呼ばれ、製法とともに各地に拡散。現在のかつお節製造でもカビ付けなどの技術が継承され、日本の食文化を支えている。
このほか審議会は、香川県の「讃岐の醬油(しょうゆ)醸造技術」の登録も答申した。
無形文化財と無形民俗文化財は従来、指定制度のみとなっていたが、幅広い保護を目的に、より基準が緩やかな登録制度が設けられた。(高本浩史)