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2021.07.07 08:00

小社会 七夕

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 万葉集には七夕の歌が、百数十首もあるという。〈天の河川音(かわと)清(さや)けし彦星(ひこぼし)の秋漕(こ)ぐ船の波のさわきか〉。天の川の清らかな水音が、天上から聞こえてきそうだ。彦星が船を漕いで川を渡っているのは、もちろん織女に会うため。

 恋人との逢瀬(おうせ)を詠んだロマンチックな歌だが、それにしてもなぜ秋? 七夕はもともと旧暦の行事。新暦に直すと8月で、暦の上ではもう秋に当たる。だから和歌や俳句の世界では今でも、七夕は秋の季題となっている。

 なるほど初秋なら晴れる日は多い。梅雨のさなかの今ごろと違い、天の川が見える確率は高まろう。本県もこのところ空模様は芳しくない。こよい、空を見上げて二つの星の出合いに思いをはせることはできるだろうか。

 実際に、ここ数年の七夕の日前後の小欄を読み返してみると、3年前は西日本豪雨、2年前は九州豪雨、昨年は熊本豪雨…。緊迫感が漂うコラムが少なくない。今また静岡・熱海を襲った土石流のニュースに胸がふさがれる。

 土石流は、起点となった山間上部の盛り土の崩落が被害を大きくしたとの見方が強まっている。詳細な調査と分析が求められる。自然の開発が要因なら「人災」の色合いも濃くなってくるだけに、やりきれなさも募る。

 疫病と自然の猛威にさらされる今年。♪ささの葉さらさら、軒ばにゆれる…。短冊にしたためる願い事に、これまで以上に思いがこもる七夕である。


7月7日のこよみ。
旧暦の5月28日に当たります。ひのえ たつ 二黒 友引。
日の出は5時02分、日の入りは19時19分。
月の出は2時33分、月の入りは17時03分、月齢は26.7です。
潮は中潮で、満潮は高知港標準で3時34分、潮位165センチと、17時22分、潮位165センチです。
干潮は10時29分、潮位38センチと、22時45分、潮位107センチです。

7月8日のこよみ。
旧暦の5月29日に当たります。ひのと み 三碧 先負。
日の出は5時03分、日の入りは19時19分。
月の出は3時12分、月の入りは17時59分、月齢は27.7です。
潮は大潮で、満潮は高知港標準で4時13分、潮位170センチと、17時59分、潮位172センチです。
干潮は11時07分、潮位29センチと、23時23分、潮位105センチです。

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