2021.06.06 08:00
小社会 ホタル
高知新聞「きょうの歴史」を数年さかのぼると、きょう6月6日の出来事に「ホタル帰る」とある。調べてみると1945年、特攻基地があった鹿児島・知覧の食堂での逸話だった。主人の鳥浜トメさんを母のように慕っていた20歳の宮川三郎軍曹は出撃の前夜、「おれ、ホタルになって帰ってくるよ」と言い残す。
6日夜9時。わずかに開いた表戸の隙間から1匹のゲンジボタルが店にすーっと入ってきた。娘たちは母に叫ぶ。「宮川さんが帰ってきたわよー」。同僚の隊員らもみな涙を流した(赤羽礼子、石井宏著「ホタル帰る」)。
映画の題材にもなり、ご存じの方も少なくない話だろう。特攻は、創設した軍上層部でさえ「統率の外道」と評した。戦争末期の非合理性、精神論の行き着くところにあった蛍の悲話を思う。
東京五輪に専門家が危機感を強めている。政府のコロナ対策分科会の会長は、近く感染状況への影響や対策を独自に提言するという。ところが、閣僚は「自主的な研究成果の発表と受け止める」。政治は合理的な分析にまともに向き合うのか心配になる。
戦時の指導者と同列に語るつもりはない。ないが、科学を軽視する政治には不安が募るのも確かだ。
6月6日のこよみ。
旧暦の4月26日に当たります。きのと とり 七赤 大安。
日の出は4時56分、日の入りは19時14分。
月の出は2時29分、月の入りは15時25分、月齢は25.3です。
潮は若潮で、満潮は高知港標準で3時11分、潮位160センチと、16時05分、潮位148センチです。
干潮は9時44分、潮位54センチと、21時45分、潮位84センチです。
6月7日のこよみ。
旧暦の4月27日に当たります。ひのえ いぬ 八白 赤口。
日の出は4時56分、日の入りは19時14分。
月の出は2時56分、月の入りは16時20分、月齢は26.3です。
潮は中潮で、満潮は高知港標準で3時44分、潮位164センチと、16時51分、潮位157センチです。
干潮は10時20分、潮位42センチと、22時27分、潮位86センチです。