2021.06.05 08:36
児童ら「巨大野球盤」で熱戦交流!日高特別支援学校と須崎・浦ノ内小
「頑張れ」「かっ飛ばせ」応援にも熱
知的障害者が通う日高特別支援学校(高岡郡日高村下分)と須崎市の浦ノ内小学校の児童が4日、巨大野球盤で交流した。障害の有無にかかわらず楽しめるゲームで、児童の声援が響いた。
浦ノ内小の体育館には、埼玉県から運ばれた特製の大型野球盤「ユニバーサル野球」が設置された。合板製で、本塁から両翼までは約5メートルあり、実際の野球場の約20分の1のサイズ。ホームベース上の回転板に乗ったボールを打つ。木製のバットは、ピンを引き抜くとばね仕掛けでスイングする仕組みで、わずかな力でも楽しめる。転がった場所で安打やアウトになるなど、野球盤の遊び方とほぼ同じだ。
鉄道車両の整備などを行う堀江車輌電装(東京)の障がい者支援事業部が、脳性まひのある少年の「野球がしたい」という願いをかなえようと、2017年から試作を繰り返し昨年完成。今年は20年の高校野球秋季地区大会優勝校のある自治体での体験授業を企画。四国は明徳義塾高校がある須崎市で開催された。
体育館では、浦ノ内小3年生12人と日高特別支援学校の1人に楠瀬耕作市長や細木忠憲教育長らも加わり、2チームに分かれて対戦。児童らは教員による本番さながらのアナウンスで打席に向かい、「頑張れ」「かっ飛ばせ」の声援や拍手を受けながら安打を狙った。
惜しくもヒットは出なかったものの、坂口聖弥君(8)は「打つのは難しかったけどみんなでできて楽しかった」とにっこり。日高特別支援学校小学部3年の中平優子さん(9)も〝打席〟に立ち、バッティングに挑戦。付き添った母親の佳代さん(44)=浦ノ内池ノ浦=は「一緒に応援をしたりされたりして交流を楽しめていて良かった。この野球は分かりやすくいい仕組みですね」と目を細めていた。(富尾和方)