2021.10.17 08:40
土佐鳥瞰紀行(55)神田(高知市)チャンピオン眠る地
1917年10月30日、曲技飛行を披露していた米国人飛行家、フランク・チャンピオンが墜落死した。
チャンピオンは航空技術紹介のために来日し各地の空を舞った。日本最後のショー開催地が高知だった。飛行機がまだ珍しかった時代。横転、宙返りの妙技に10万人が歓喜し、万歳を繰り返した。
秋晴れの空の下、朝倉練兵場からその日2回目の曲技飛行に臨んだチャンピオン。上空1200メートルで左翼が折れ、機体は高知市神田の水田に墜落した。
その死を悼んで、市内で盛大な葬儀が営まれた。同市鷹匠町2丁目の鏡川河畔には、高さ4・5メートルの「フランクチヤムピオン之碑」が建てられた。
没後80年目の96年には娘のジーン・マスキュリンさんを招いての献花式典が行われた。97年には墜落地に地元有志が記念碑を建立(現在は約700メートル南東の市道沿いに移設)。99年にはコメットハンターの関勉さんが自身の発見した小惑星に「チャンピオン」と名付けた。
県民に愛され、星になった鳥人は、今も土佐の空を自在に飛んでいる。(佐藤邦昭)