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2024.05.08 05:00

小社会 120年目の判断

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 100年以上続く企業は世界にどれだけあるか。ある調査によれば、日本が最多で約4万社、米国が2万社余り。それでも日本では企業全体の1%強にとどまる。

 それらの会社やブランドにとって120年という節目は独特の存在になるのではないか。100年続いた基盤がある上にさらに20年。その時の判断に長寿企業のさまざまな顔が見えてくる。

 調べると、大型バイクのハーレーは昨年で創業120周年だった。米国を象徴するこの乗り物のメーカーは、1930年代の世界恐慌や品質低下による80年代の倒産危機を克服してきた歩みがある。120年目、バイク市場が縮む中で歴史的と言える若者向け戦略を強化した。

 魔法瓶の「サーモス」ブランドも今年で120周年。こちらも低迷期があった。ステンレス製を武器に一時は業界をリードしたが、後発に抜かれる。そこから新機能の開発で業績回復を果たし、今年、新分野への参入なども打ち出した。両社の長寿の前提はやはり、顧客の信頼だろう。

 とさでん交通の路面電車も今月、開通120年を迎えた。住民の「足」を支えてきた歴史は言わずもがな。役割は変わらず、その景色は街の文化でもあるが、人口減少の逆風が強まる。改めて確認するのは、それに向かう決意と存在意義か。会社は県民向けに訴える。〈120年の感謝をのせて これからもこの街で〉。そうあってほしい。

 ちなみに高知新聞社も、ことしが120周年の節目になる。

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