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2024.05.07 08:31

心に響いたら投書 芸能集団「唄と踊りの夢一座」副座長・小松進さん(77)南国市―私と高知新聞

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「『あけぼの』も大好き」と話す小松進さん(高知市南はりまや町2丁目の事務所)

「『あけぼの』も大好き」と話す小松進さん(高知市南はりまや町2丁目の事務所)

 「活字は好きやないき、本を読まん。けんど、高知新聞は読みゆうで。県内のニュースが多いし、写真もあって読みやすいきよ」

 時代劇のかつらと着物姿で新聞を広げる。県内の福祉施設などで懐メロや舞踊を披露しているボランティア一座で活動。約25年に及ぶ活動は本紙でも紹介され、「反響がすごかった。『見たで』と電話もいっぱいかかってきてよ」。

 毎朝、ご飯を食べながら新聞に目を通す。行方不明者の記事を読めば、妻と「いつ発見されるろう」と心配する。水曜スポーツ欄は虫眼鏡で追いながら「知り合いのおじい、おる?」と探すのが楽しい。

 小松さんの一押しは「声ひろば」だ。「心を打つ、身近で生活感のある話が載っちゅう」。愛犬の死、芸能集団10周年、孫の成長…。心に何か響くことがあった時は、自分も投稿するのだという。

 数々投稿した中で、最も印象に残っているのは1987年12月の初投稿。当時高校2年生の長男が車にはねられ、左手首を骨折した。乗っていた自転車も大破。ところが車の運転手は救急車を呼ばず、警察にも通報せずに立ち去った。

 怒りに震えた小松さんは、連絡先も分からない運転手に向け、投稿でこう語り掛けた。「もし、この文面に目が留まりましたなら、これからは(交通弱者の)子どもやお年寄りに、もう少し誠意のある行動をとっていただきたい」

 掲載後、名前も知らない男性から「新聞読んだ者やけど、かわいそうに。わしが自転車こうちゃる」と電話が来た。その言葉だけで「新車をもらった気分」になったという。

 「同級生や親戚、知らない人からも連絡が来る。まだまだ投稿を続けていきたい」。そう言うと、ガハガハ笑った。(田代雄人)

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