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2024.04.15 14:08

【ぷらっとTOKYO】「新井薬師」 童謡「たきび」発祥の地も

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 新井薬師梅照院=東京都中野区

 目の病気や子育てに御利益があるとされ、「新井薬師」の通称で古くから親しまれてきた東京都中野区の新井薬師梅照院。門前町の風情が漂う一帯を散策した。(共同通信=鈴木賢)


 西武新宿線の新井薬師前駅南口を出て西へ。青果、精肉、生活雑貨などを扱う店が立ち並ぶ商店街を5分ほど歩くと新井薬師に着く。山門前で一礼する参拝者もしばしば見られ、信仰が息づいていることを実感する。


 寺院の始まりは1586年という。参道には本堂の焼失後、1779年に再建を記念して建てられたお地蔵さんがたたずむ。本堂のご本尊は薬師如来と如意輪観音。境内に掲示されていた参拝の作法に従って一礼し、手を合わせて「オン コロコロ―」「オン バラダ―」と真言を唱えた。


 新井薬師の北側には新井薬師公園が広がる。桜の名所として親しまれ、訪れた子どもたちが日差しを浴びて元気に駆け回っていた。


 来た道を戻り、童謡「たきび」にゆかりのある上高田地区に向かう。「かきねの かきねの まがりかど」のフレーズが頭に浮かぶ。立派なケヤキの木がそびえ、竹垣が美しい屋敷の一角に区が設置した案内板があり、「『たきび』のうた発祥の地」と記されている。


 北原白秋に師事し、昭和初期、近くに家を借りていた作詞家の巽聖歌が散歩しながら「たきび」の詩情を湧かせたそうだ。屋敷に住む鈴木伸幸さんは「歌が生まれた当時の情緒を感じてもらえるとうれしい」と話す。昨年秋には、娘の麻衣子さんが、敷地内に「ぱん工房 たきびのおうち」を開店。国産小麦を使ったバゲットやクロワッサンが人気という。


 近くには、この地の鎮守として大切にされている上高田氷川神社がある。神社には、江戸城を築いた室町時代の武将・太田道灌がしばしば参拝したと伝えられる。木々の緑が目に優しい境内で深呼吸し、ささやかな旅の余韻に浸った。


 【メモ】「『たきび』のうた発祥の地」は、新井薬師前駅から徒歩約6分。

(c)KYODONEWS

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