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2024.04.12 18:51

【幸せは探さないけれど 武田鉄矢 『今朝の三枚おろし』30年 #2】D・キーンさんの目で見る 豪徳寺・長野・伏見稲荷 インバウンドと日本文化 

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 露天風呂に入るニホンザルたち

 俳優・歌手の武田鉄矢さんが平日朝、ユーモラスに語るラジオ番組「武田鉄矢 今朝の三枚おろし」(文化放送をキー局に全国各地で放送)が30周年。読み込んだ本を、いま関心の高い話題と絡めて取り上げる内容が聴く人の好奇心を刺激する。番組を通じて考えたことを聞く連載の第2回。


   ×   ×


 〈評伝「私説 ドナルド・キーン」とインバウンド(訪日客)を絡めて語った回があった〉


 街ですれ違う彼らは何を探しに日本に来たんだろうと思ったのがきっかけです。過去をさかのぼるのが手っ取り早いので、戦後、日本に魅了された人といえばなんといっても(日本文学研究者の)キーンさんだろうと。


 お正月に豪徳寺(東京)に家族で行ったら英語と中国語で張り紙がしてあった。「お人形は一人一つにしてください」って。ネコの人形を大量に買っていく人がいるんでしょうね。ネコの伝説がある寺に長蛇の列ができていた。


 長野に行った時、サルが入るという露天風呂があるからぶらっと見に行ったら、われわれ以外全員外国人。彼らが本当にうれしそうに温泉に入るサルを見ている。他にどこ行くんだって聞いたら渋谷に行って忠犬ハチ公像の写真を撮る、京都で伏見稲荷に行くと。


 ネコ、サル、イヌ、キツネですよ。彼らがときめいているのは動物と人間を同じように並べる文化。そんな国が他にあるだろうか。それがキーンさんが引かれた日本の文化ですよね。ラジオを聴いてくださる方にキーンさんの目で語り、私たちはそういう国に住んでいますよ、と伝えたかった。


 〈なぜでしょう〉


 僕たちが子どもの頃、「君たちはとても恥ずかしい国に生まれた」と学校の先生に教わった。戦争に負け、生まれた国のことを誰も良く言わなかった。ラーメンだって昔は中華料理は絢爛豪華な物なのに麺類一品だけなんて偽物だと言われた。それが今やすごい人気ですよね。日本は変わらず世界が変わっている。そこからもう一度日本を考えてみるのも面白いんじゃないかな。



※連載第3回は4月19日公開



 【たけだ・てつや】1949年生まれ。71年に「海援隊」結成、音楽活動をスタート。ヒット曲に「母に捧げるバラード」「贈る言葉」など。主な出演作はテレビドラマ「3年B組金八先生」(TBS系)、映画「幸福の黄色いハンカチ」。著書に「夏のクリスマスツリー」など。

(c)KYODONEWS

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