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2024.04.11 15:39

【東京ウオッチ】創作の春に触れ、散りゆく桜めでる―泉屋博古館東京で木島櫻谷の金屏風公開 いまのTokyoをつかむイベント情報(13日~21日)

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 木島櫻谷「柳桜図」(左隻)(大正6年〈1917〉 泉屋博古館東京蔵)(提供写真)

 ◎今週の一推しイベント


 【13日(土)】


 ▽「ライトアップ木島櫻谷―四季連作大屏風と沁みる『生写し』」(~5月12日、港区・泉屋博古館東京)


 明治末から昭和初期に活躍した日本画家・木島櫻谷の作品を紹介する展覧会が、六本木で開催されている。櫻谷の自然や動物を描いた名作が堪能できる。


 見どころは、大正中期に大阪茶臼山の住友家本邸の書院大座敷を飾った「四季連作屏風」。会場三方の壁を使って「柳桜図」など金屏風4点を公開。油彩画のような筆致による迫力と繊細さを備えた桜やカキツバタなどの色感、大胆に景物を切り取った構成が特徴の傑作だ。


 「金屏風は鑑賞するだけの美術品ではなく見る人をも輝かせる要素がある」と館長の野地耕一郎さん。会場唯一の撮影スポットであるカキツバタの屏風前でぜひ自分を撮影してほしいと言う。「生き生きした花々と共にある自分自身の姿を見て、作品の本質を感じてほしい」


 江戸時代中期に京都で活躍した絵師・円山応挙によって編み出された「生き写し」(写生)の方法を継承した、ライオンやリスなどの遊び心ある櫻谷作品も展示。応挙をはじめその門下の円山派、応挙に学んだ呉春を祖とする四条派の画家たちによる江戸時代から昭和初期にかけての動物作品も必見だ。


 


 ○そのほかのお薦めイベント


 【13日(土)】


 ▽「桜御膳」(~30日、千代田区・シャングリ・ラ東京)


 桜の季節に合わせた春のごちそうが、丸の内のホテルで提供されている。


 28階のロビーラウンジで皇居の桜を眺めながら食す「桜御膳」。前菜「9種の彩り花見団子仕立て」はお花見の時期にお団子を食べる習慣からヒントを得た。縁起ものの紅白を意識した円形のトマトのピクルスをはじめ、とうもろこしのゼリー、アスパラムースなどが色鮮やかに並ぶ。インバウンド(訪日客)はもちろん、日本人も春の風習を感じられるメニューとなる。


 愛知のマダイ、静岡の緑茶、山形のつや姫を使った「鯛の焼き茶漬け」も美味。から揚げの鳥取産の大山鶏など、シェフ・ド・キュイジーヌの古屋豊樹さんが厳選した各地の食材が結集した。「日本の食の文化や魅力を季節ごとに伝えるのがシェフの大切な仕事」と古屋さん。「コロナ前後で料理人の意識が変わったと思う。コロナ後は、食の背景にあるストーリーや伝統も感じてもらえるようにメニューを考案するようになった」


 香港に本拠を置くホテル内はラグジュアリーでありながら家族的な雰囲気も。アジアらしいきめ細やかなサービスを東京の中心で体感し、桜の季節の終盤を楽しみたい。


 ▽「アトリエシムラの着物&ストール展~春のたのしみ~」(~14日、世田谷区・アトリエシムラ ショップ&ギャラリー東京・成城)


 山の草木から採った染料を使った「草木染」の着物や帯、ストールなどをそろえた展示会が、成城で行われる。


 会場は、紬織の人間国宝・志村ふくみさんの孫・昌司さんが代表を務める京都の染織ブランドを展開するギャラリーも兼ねた店。伝統的な染め織りの技術や手仕事の大切さを、作品を通して伝える。昌司さんは「桜の木など春の植物から採れた色を紹介している。新作のバッグなど、京都で生まれた製品を東京で見てもらえるのは貴重な機会だと思う」と話した。


 【20日(土)】


 ▽「春の特別列品『恋とさすらいの系譜―源氏物語と平安文学』―国学院大学図書館の名品―」(~6月16日、渋谷区・国学院大学博物館)


 平安時代の長編物語「源氏物語」と平安文学を紹介する展覧会が、渋谷で開かれる。


 恋とさすらいをテーマに全54帖の物語から五つのシーンを抜粋。対応する彩色絵や和歌を合わせ、作品の世界を構築する。原作者の紫式部の生涯を描くNHK大河ドラマ「光る君へ」放映も重なり開催前から話題になっている。


 本展は国学院大図書館が所蔵する鎌倉時代から江戸時代にかけての資料で構成。学芸員の佐々木理良さんは「重要文化財『金葉和歌集』(鎌倉時代中期写)も含まれる図書館の貴重資料をぜひ見てもらいたい」と話す。


 物語第8帖「花宴巻」の画は桜の宴の夜に主人公の光源氏が探していた女性との様子を描いている。その他にも第51帖「浮舟巻」などの場面を展示、それに連動する和歌を原文で味わえる。


 源氏だけではなく「竹取物語」「伊勢物語」のシーンも同様の形で紹介。佐々木さんは「華やかな彩色画と深い歌の世界を重ねて見ることで、現代にもつながる人間心理を感じてもらいたい」とコメントした。


 ▽「ジェンダー目線で広告を観察してみよう~身近なジェンダーステレオタイプに気づくために」(14時、港区立男女平等参画センター、事前予約制)


 広告の中にあふれる偏ったジェンダー観を巡る講演会が九州大非常勤講師の小林美香さんを招いて、芝浦で行われる。


 固定的な女性・男性像を描いた広告が大きな影響力を持つことへの批判的な姿勢を身に付け、平等性と多様性を尊重する社会について共に考えたい。

(c)KYODONEWS

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