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2024.04.07 05:00

【ガザ戦闘半年】即時停戦を改めて求める

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 どんな大義名分があろうと戦争は決して正当化できない。中東のパレスチナ自治区ガザの悲劇がそれを改めて示している。一刻も早い停戦が望まれる。
 ガザを実効支配するイスラム組織ハマスとイスラエルの戦闘は、発端となったハマスのイスラエルへの攻撃から半年がたった。
 以来、ガザは地獄のありさまである。報復に出たイスラエル軍の空爆や地上侵攻によって、町が無残に破壊された。
 死者は既に3万人を大きく超えており、中でも子どもの犠牲が目立つという。食料不足や医療体制の崩壊など人道危機も深刻さを増しているが、停戦の道はいまだ見えないのが実情だ。
 戦闘の直接的な原因をつくったのはハマスである。ロケット弾による攻撃や越境で大勢のイスラエル市民を虐殺し、拉致した。
 イスラエルとは長年ガザを巡って緊張関係にあったとはいえ、許されない蛮行である。その意味ではイスラエルの憤りは理解できる。
 だが、イスラエルの報復姿勢は、見境がなくなっていると批判されても仕方がない。民間人に加え、人道支援に当たる国連機関や非政府組織(NGO)の関係者も犠牲になり続けている。
 先日も食料支援団体の車両が攻撃され、外国籍のメンバーを含む7人が死亡した。団体関係者によると、車両の移動についてイスラエル軍に情報提供をしていたという。
 この先の被害拡大も危惧される。ガザ最南部ラファには現在、激戦地の北部などから逃れてきた避難民が約150万人いる。イスラエルはそのラファ侵攻も辞さない構えだ。
 国連をはじめ国際社会はこれまで、イスラエルの人道軽視の姿勢を厳しく非難してきた。即時停戦などを求め続けてきた。しかし、一時的な休戦はあったものの、イスラエルは強硬姿勢を貫いている。
 先日はハマスを支援するイランの在シリア大使館も空爆。戦火が広がりかねない事態を招いた。
 こうなった責任の一端はイスラエルの後ろ盾である米国にもあるはずだ。米国は国連安全保障理事会での停戦決議を拒否。国際社会の米国を見る目も厳しくなっている。
 米国内でもバイデン米大統領への批判が高まりつつある。近づく大統領選も意識したのだろう。バイデン氏が最近ようやく、イスラエルに厳しい姿勢を見せ始めた。
 ネタニヤフ首相に対し、民間人を保護する具体策の発表と履行を強く要求。応じなければ支援を見直すと異例の警告を発した。
 イスラエル、ハマス双方に即時停戦を改めて強く求める。残る人質の解放も急ぐべきだ。
 ロシアが続けるウクライナ侵攻もそうだが、この間、国際社会の無力ぶりが目立ってきた。日本も含め、圧力をさらに強め、速やかな停戦や人質解放を実現したい。それには米国の責任と役割が大きいのは言うまでもない。

高知のニュース 社説

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