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高知新聞PLUSの活用法

2024.03.22 05:00

まだ何か隠している? 数の世界の冒険者【数からの挑戦状#12完】※解説動画連動※ 

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 数の世界は、いろいろな問題(挑戦状)を人々に突き付けてきます。こうした問題に、数学者はどのように挑んでいるのでしょうか。数学者であり監修の谷口隆さんに話を聞きました。


 数学者が取り組む問題は、テストで解く問題とは大きく異なります。


 テストの問題には答えにたどり着く解法がありますが、数学者が取り組む問題では答えに向かう道筋が定まっているわけではありません。


 それでも、あれこれ考えたり、紙に計算をしたりします。頭と手を動かす日々をこつこつ積み重ねていくと、あるときふと問題を解くための方法がひらめくそうです。


 問題が解けたときには「数の世界にある新しい構造を見つけたような気がして、うれしくなる」と谷口さんは言います。


 数には、調べてみると予想もしない法則が見つかることがあります。


 例えば第6回では、1を素数で割って出てくる小数の繰り返し部分を取り出し、二つに分けて足すと9がずらりと並ぶ、という手品みたいな話をしました。


 谷口さんは数の世界に対して「おまえ、まだ何か隠しているだろう?」という気持ちを抱いているそうです。


 数にはまだまだ面白い性質や奥深いつながりがあるのではないか、という疑いと期待があり、その思いが数の問題に挑む原動力となっているようです。


 多くの難問が立ちはだかるなかでも、「いつの間にか遊んでいる感覚になることがある」という谷口さん。


 遊び心を持ちながら、秘密を探りに奥地に分け入っていく。


 数学者とは、数の世界の冒険者だったんですね。


(文・科学ライター・井筒智彦、監修・谷口隆神戸大大学院教授)



 ※井筒さんが出演して、より分かりやすく解説している動画があります。YouTubeで「数からの挑戦状」と検索してみてください。



 いづつ・ともひこ 1985年東京都生まれ。東京大大学院博士課程修了。宇宙プラズマの乱流輸送現象を世界で初めて実証。米航空宇宙局(NASA)人工衛星の解析チーム入りを辞退し、広島県北広島町に移住。「限界集落から宇宙へ」を合言葉に町おこしに取り組む。



 たにぐち・たかし 1977年兵庫県生まれ。東京大大学院博士課程修了。プリンストン大客員研究員などを経て神戸大大学院理学研究科数学専攻教授。専門は整数論。著書に「子どもの算数、なんでそうなる?」(岩波書店)

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