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2024.03.21 18:29

【東京ウオッチ】前進諦めず、最高の一皿仕上げたい―ミシュラン三つ星シェフ監修「エリタージュ バイ ケイ コバヤシ」 いまのTokyoをつかむイベント情報(23日~31日)

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 ザ・リッツ・カールトン東京のフレンチレストラン「エリタージュ バイ ケイ コバヤシ」の料理長・村島輝樹さんによる一皿(提供写真)

 ◎今週の一推しイベント


 【23日(土)】


 ▽「H☆(アキュートアクセント付きE小文字)ritage by Kei Kobayashi(エリタージュ バイ ケイ コバヤシ)」(港区・ザ・リッツ・カールトン東京、通年営業、火・水曜定休、予約優先制)


 2020年にアジア出身シェフとして初めてフランスでミシュラン三つ星を獲得したパリの「Restaurant KEI(レストラン・ケイ)」オーナー、小林圭さんが料理やサービス、器、空間を監修したフレンチレストランが六本木にオープンし話題を呼んでいる。


 店名の「エリタージュ」はフランス語で「遺産、継承」の意味。国内外で実績豊富な村島輝樹さんを料理長に迎え、「自分たちを育ててくれたフランス料理への恩返しのため、次世代の料理人たちにその本質を伝えたい」との2人の思いを込めた。


 村島さんが自ら市場で厳選した魚など、食材の質に徹底的にこだわったランチとディナーのコースを用意。お薦めのハト肉の料理もどんな部位も無駄にせず提供する。器にはリモージュなどの仏製品に加え、有田焼や南部鉄器を使用。


 「日本の美学や自然観、日仏文化を表現した」と仏メディアが報じた通りの盛り付けが評判だが「奇をてらうつもりはない」と村島さん。「自分たちは本場フレンチの基礎をたたき込まれた世代。一時は消えかけた伝統的ソースに新たな価値を加えよみがえらせた。現場の料理人が前進を諦めなければ、お客のための最高の一皿へつながる」と話した。



 ○そのほかのお薦めイベント


 【23日(土)】


 ▽「マティス 自由なフォルム」(~5月27日、港区・国立新美術館、4月3~8日は高校生無料観覧日)


 20世紀美術の巨匠アンリ・マティスが晩年に取り組んだ「切り紙絵」に焦点を当てた展覧会が、六本木で開催されている。


 マティス美術館(フランス・ニース)の所蔵作品を中心に、切り紙絵のほか、絵画、彫刻、版画、テキスタイルや資料など約150点を展示。切り紙絵の代表作で連作の一つ「ブルー・ヌード☆(ローマ数字4)」、日本初公開となる4・1×8・7メートルの大作「花と果実」は必見だ。


 切り紙絵は彩色した紙をはさみで切り抜きそれらを組み合わせ画面を構成する技法。「はさみでデッサンする」ことで、マティスは自由に軽やかに色と形を表現した。


 切り紙絵を応用して室内装飾や司祭服をデザインした、南フランスのロザリオ礼拝堂にまつわる最晩年の作品や資料も展示。礼拝堂内部を原寸大で再現、ステンドグラスを設置して差し込む光も表現した。アンバサダーを務める俳優の安藤サクラさんは「ニース郊外のロザリオ礼拝堂は自分の気持ちや生命をたたえるような空間だが、東京でこの体験ができるのは素晴らしい」とコメントした。


 ▽「戦争体験の継承を考える」(13時30分、千代田区・東京YMCA会館カフマンホール、事前予約制)


 沖縄、広島、長崎で戦争体験の継承を実践している若者たちが登壇するシンポジウムが、神田駿河台で行われる。


 沖縄で平和学習講師を務める仲本和さん、核廃絶の調査研究のために全国を巡る広島生まれの高橋悠太さんらが登壇。時々刻々と変化する国際情勢の中で、戦争体験を伝えることの重要性や平和と人権を巡り話し合う。


 【27日(水)】


 ▽「ジャルディーニ メディチェイ POP UP ストア」(~4月23日、伊勢丹新宿)


 13世紀のイタリア・フィレンツェでドミニコ会修道院をルーツに設立、世界最古の薬局として知られる「サンタ・マリア・ノヴェッラ」。創業から800年以上たつが、伝統的なレシピに基づき生産するオーデコロンやせっけんなどの商品も有名だ。同社が初めて製造したオードパルファム(濃度が高めの香水)が、新宿で先行販売される。


 イタリアのルネサンス期(14~15世紀)の名家メディチ家愛用の植物の香りを採用した「ビッザリア」「アイリス」「マグノリア」「ジェルソミーノ」の4種の香りをそろえた。由緒ある香りを体感してみたい。


 【30日(土)】


 ▽「ブランクーシ 本質を象る」(~7月7日、中央区・アーティゾン美術館)


 20世紀の彫刻分野を切り開いたルーマニア出身の彫刻家コンスタンティン・ブランクーシの展覧会が、京橋で行われる。


 彫刻作品を主とした大規模な展覧会は日本の美術館では初。彫刻作品約20点に、フレスコ、テンペラなどの絵画やドローイング、写真作品を加えた計約90点が紹介される。


 彫刻作品は、国内外の美術館や機関の所蔵品を展示。野性的な造形を保ちながらも洗練されたフォルムを追求し、同時代や後の世代の芸術家に多大な影響を及ぼした。巨匠ロダンの影響から逃れた初期から、「鳥」などをテーマにし抽象化が進んだ1920年代以降までの彫刻家としての歩みを知ることができる。絵画や写真作品も紹介し、多様性を持ち合わせた創作者の一面を伝える。


 学芸員の島本英明さんは「石やブロンズなどの素材を基にしたシンプルな造形が特徴。ブランクーシの彫刻作品をこれだけ集めるのは容易ではないので、見逃さないでほしい」と話した。

(c)KYODONEWS

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