「レンゲ畑のまんなかで」

2024.03.29 05:00

「レンゲ畑のまんなかで」

高知新聞社

魔法(まほう)のような毎日(まいにち)を過(す)ごす子供(こども)たち
　今(いま)より少(すこ)し前(まえ)のお話(はなし)です。洗濯槽(せんたくそう)が二層式(にそうしき)のローラーであることや、線路(せんろ)に踏切(ふみきり)がないことから作者(さくしゃ)の幼少期(ようしょうき)のころのお話(はなし)ではないかと思(おも)われます。小学(しょうがく)３年生(ねんせい)の悦子()は、なつきという名前(なまえ)の女(おんな)の子(こ)に出会(であ)います。話(はな)しかけてみると、魔女(まじょ)の家(いえ)に住(す)んでいると「秘密(ひみつ)」を教(おし)えてくれたのです。悦子()は魔女(まじょ)の家(いえ)で一緒(いっしょ)にヨモギ団子(だんご)を作(つく)ったり、蔵(くら)の中(なか)を探検(たんけん)したり、秘密(ひみつ)の隠(かく)れ家(が)で遊(あそ)んだりと楽(たの)しい経験(けいけん)をします。私(わたし)も小学生(しょうがくせい)のころ、友達(ともだち)と空(あ)き家(や)を探検(たんけん)したり、秘密(ひみつ)基地(きち)を作(つく)って遊(あそ)んだりしたことを思(おも)い出(だ)しました。

　一人(ひとり)っ子(こ)の悦子()と弟(おとうと)のいるなつきの、お互(たが)いの境遇(きょうぐう)の違(ちが)いをうらやましく思(おも)う場面(ばめん)に、女(おんな)の子(こ)の感情(かんじょう)の共通点(きょうつうてん)があると感(かん)じました。

　大人(おとな)が小学生(しょうがくせい)だったころを思(おも)い出(だ)させてくれるし、()小学生(しょうがくせい)も楽(たの)しく読(よ)むことができるのではないでしょうか。（ＮＰＯ法人(ほうじん)高知(こうち)こどもの図書館(としょかん)　山下()未来()）

「レンゲ畑のまんなかで」　富安陽子／作　降矢奈々／絵　あかね書房　小学校高学年以上

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